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また成年後見の弁護士が着服か。約8000万円を私的流用&競馬に使ってすっからかん。法律家をも狂わせる“ギャンブル依存症”の恐ろしさ

49歳の男性弁護士が、成年後見制度などを悪用して約8,000万円を私的に流用し、こともあろうか競馬に使っていたことが分かり、SNS上からは怒りの声があがっている。

同弁護士の所属する熊本県弁護士会によると、この弁護士は成年後見制度と相続財産管理制度を悪用し、管理していた3つの口座から、合計でおよそ8,000万円を私的に流用した疑いがあるとのこと。同弁護士は2件の成年後見人を務めていたが、去年12月に行われるはずだった家庭裁判所への定期報告がなく、調査をしたところ2つの口座から合わせておよそ3,000万円が引き出されていたことが分かった。

さらに同弁護士が相続財産管理人を務めていた口座も調べたところ、そちらも約5,000万円の行方が分からなくなっていることも判明。同弁護士は調べに対して「競馬に使った」と話しており、この他にも預かっていた金を私的に流用していたといった趣旨の話もしているという。

ここに来て相次ぐ弁護士の“私的流用”などの不祥事

成年後見制度といえば、認知症をはじめとした精神・身体的な理由によって、判断能力が不十分となり財産管理ができなくなった際に、詐欺などの金銭トラブルの被害から守るために、家庭裁判所に申し立てたうえで、本人を援助する“成年後見人”を付けるというもの。

後見人には親族などをはじめ本人と縁が深い人物がなれるが、本人が多額の財産を持っていたり、親族などが本人とは離れた場所に住んでいて管理が難しい場合などには、弁護士などを選定することも可能。万が一、法的なトラブルに巻き込まれてしまっても、弁護士資格を持つ後見人は心強い存在となるわけだ。

しかし、最近はその後見人を務める弁護士の“不正行為”も目立つ状況だ。昨年9月には、成年後見人として管理していた預金口座から2,100万円を着服したという、今回と同じような行為を働いたとして、業務上横領の罪に問われた男性元弁護士の判決公判があり、「弁護士という職業や成年後見制度に対する信頼をも揺るがしかねない悪質な犯行だ」として、懲役2年2か月の判決が。元弁護士は事務所経費や生活費に困った末に着服に手を染めたといい、被害の弁償もしたようだが、それでも実刑は免れなかったようである。

さらに弁護士の悪行ということでいえば、愛知県では和解金や示談金として預かった1300万円を事務所経費に流用したうえに、事務員に賃金を支払わなかった60代の男性弁護士に、業務停止1年6か月の懲戒処分が下されるという出来事が。また山口県では、依頼人に対して不当な報酬の提示をしたり、預かった金を自身の事務所の運転資金に流用していた70代の男性弁護士に、業務停止6か月の懲戒処分が下されるなど、今年に入って弁護士の不祥事が相次いで報道されている状況だ。

それだけに今回の出来事に対しても厳しい視線が注がれており、SNS上では「弁護士も信用ならんな」「法曹家が倫理守れないでどうするんだ?」「弁護士会が全額保証する様に法律で定めるべき」といった批判の声が殺到。弁護士に対しての絶対的な信頼性が、大いに揺らぐという由々しき事態となっている。

多額の私的流用は“ギャンブル依存症”がゆえ?

いっぽう今回の件に関しては、現段階で判明している分でも約8,000万円という流用額の多さにくわえて、そのほとんどをギャンブルにつぎ込んでしまったという点も注目されており、ネット上からはこの男性弁護士に対し「ギャンブル依存症だったのでは?」との声も多くあがっている。

アルコールや薬物などといった他の依存症と同様に、れっきとした病気であるギャンブル依存症。ギャンブルにのめり込み、興奮を求めて賭ける金額がどんどん増えていき、負けが込んでもギャンブルで取り戻せると妄信するなどコントロールが利かなくなり、最終的には身代を潰してしまうのが典型的なパターンだが、この弁護士に至っては自分のものではないお金にまで手を付けてしまっていることから、相当に末期的だった模様である。

SNS上では「こんな大金を流用して、いつかバレないとでも思ったのか?」といった声も聞かれるが、“いつか取り戻せる”と正常な判断ができなくなってしまうところも、いわばギャンブル依存症の恐ろしさだといえそう。熊本県弁護士会では今後、この男性弁護士に対しての処分、さらには刑事告発も検討しているということで、その代償はかなり大きなものとなりそうだ。

Next: ギャンブル依存症の一番恐ろしいところは…

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