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内政干渉?在日ウクライナ大使館ツイッターに「違和感」「落ち着け」の声が増加中。ロシアとの姉妹都市解消ほか要求エスカレートも緊迫した状況ゆえか

収拾の見通しがまったく立たないロシアによる軍事侵攻だが、その当事国であるウクライナの在日大使館のTwitterアカウントによって投稿された投稿に対し、日本国内から複雑な反応が噴出する事態となっている。

ウクライナに対するロシア侵攻を非難するとともに、世界各国の大学がロシア連邦の教育機関との協力を停止しています。当館が日本大学にも侵略国との協力関係の断絶を呼びかけました。 pic.twitter.com/rBwv98JBTR — 在日ウクライナ大使館 (@UKRinJPN) March 10, 2022

(※編注:この投稿はすでに削除されています)

ウクライナが卑劣なロシア侵攻を受けるなか、ロシアの町との「姉妹関係」を保ち続けるのは偽善のように思われます。当館が日本の都道府県及び市に対して、ロシアの地域及び市との姉妹都市関係の断絶を呼びかけました。pic.twitter.com/UaxBBlqV8A — 在日ウクライナ大使館 (@UKRinJPN) March 10, 2022

(※編注:この投稿はすでに削除されています)

取沙汰されているのは、3月10日の夕方に投稿されたツイート。その中身は、同大使館が日本国内にある大学などに向けて、ロシアとの関係を断絶するよう呼び掛けているものと、さらに日本の地方自治体に対しては、ロシア各地との姉妹都市関係の断絶するよう呼び掛けているといった内容。

最近では民間企業の間でも、ロシア国内から撤退する動きが世界的に広まっている状況。とはいえ、教育活動における協力体制や市民レベルの交流までも断つべしといったような物言いに対しては、違和感を覚える向きが結構多かったようで、「ちょっとやりすぎだと思う」「戦う相手が違います」といった意見、さらには「内政干渉」といった声まで飛び出すなど、かなりの数の否定的反応が寄せられているのだ。

“勇み足”相次ぐ在日ウクライナ大使館アカウント

Twitter上の「在日ウクライナ大使館」アカウントだが、2014年6月に開設されたようで、11日現在で約19万人の方がフォローしている。

ちなみにウクライナ周辺にある他国の在日大使館アカウントのフォロワー数をみてみると、ポーランドが約1万人のほか、ベラルーシが600人強、さらにTwitterアカウントを持たない大使館も結構多い状況。今回の軍事侵攻を契機に注目を集め、フォロワー数が激増したのであれば何とも複雑なところだが、とはいえ今や一定の影響力を持つアカウントとなっているのは紛れもない事実だろう。

現在、固定ツイートによってウクライナへの寄付を募る投稿が上部に表示されている同アカウントだが、少し前には現地でロシア軍に立ち向かう“義勇兵”を募るツイートも投稿されており、日本政府がその対応に苦慮するといった一幕があったのも記憶に新しいところ。

また2月下旬には、東京スカイツリーがウクライナ国旗のカラーにライトアップされたと喜びの投稿をしたものの、実際のところそのライトアップはスカイツリーが日常的に行っているもので、特にウクライナを応援するといった意図はなかったというオチが付いた出来事も。こうしてみると、そのツイートの中身はかなりセンセーショナルというか“勇み足が過ぎる”きらいもあるようだ。

そのいっぽうで、その在日ウクライナ大使館のトップであるセルギー・コルスンスキー特命全権大使のTwitterアカウントも、同様に何かとお騒がせといったところで、つい最近ではロシア国内にあるユニクロの営業続行を一時は決めたファーストリテイリングに対し、生命の危機にあるウクライナよりもロシアの日常生活を優先したといった趣旨の、非難のツイートを投稿。

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ただファーストリテイリングは、ウクライナに対しても人道支援として1,000万ドル(約11億5,000万円)を国連難民高等弁務官事務所に寄付していたこともあり、このツイートに対しては「まず先にユニクロにお礼を述べるべき」といった声もあがるなど、反論する声が多く寄せられる事態になっている。

日本からは「おかしい」「落ち着いて」との声が

このように、在日ウクライナ大使館にしてもコルスンスキー特命全権大使にしても、その突っ走り気味のツイートに対しては、多くの人から「おかしい」「違和感」「落ち着いて」といった声があがっている状況。

しかし、今まさに祖国をロシア軍の侵攻によって破壊され、多くの同胞が傷付き命を落としているといった相手に対して「冷静になれ」というのが、相当に酷であるのは言うまでもない話。これまでの大使館や大使らのなりふり構わないツイートも、それが日本国内の世論を動かし、戦争を止める力に少しでもなれば……といった思いから来ていることに、恐らくは間違いないからだ。

ただ、それらのツイートがある意味で仇となってしまい、それまでは好意的に受け入れられていた同アカウントが、ここに来て微妙に悪い印象も持たれつつあるという、何とも残念としか言いようがない状況に。さらに最近では、そんなウクライナ大使館を装って寄付を募る偽メールも出回っているといい、同大使館としてはまさに弱り目に祟り目といったところだろう。

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