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「日米金利差で円安」の大嘘。ドル円129円到達は日銀の失策、緩やかに円高に戻っていく=角野實

本当は好調な中国経済

出典:TRADING ECONOMICS

CHINA GDP ANNUAL GROWTH RATE 出典:TRADING ECONOMICS

上記は中国のGDPにドル人民元のレートは張り付けたものです。

すごく、わかりにくいのですが、まず、中国の成長がコロナやウクライナで減速していると専門家は騒ぎますが、実態は非常に良い、というのが事実です。

なぜならば、今回18日に発表されたGDPは1-3月ですが、この比較対象は2021年1-3月です。この間の成長は18.3%です。これに対して4.8%も伸びたというのは好調そのもの。それなのに「悪い、悪い」と騒ぐ専門家。統計の基本的な見方も知らないのではないか、と思います。

この18日のGDPによって、中国経済の完全なる再開がスタートをした、と論じることもできるのですが、世間のコンセンサスは中国のGDPは悪い、という摩訶不思議さです(笑)。

もちろん、コロナで外出禁止や工場閉鎖など、目先の悪材料に左右されているのはわかります。しかしGDPの3か月スパンでみれば、おそらく中国はものすごくよくなるでしょう。細かい説明もGDPに関してはしなくてはいけませんが、ここでは割愛をします。

人民元安は継続する

4月20日に円高に振れた原因が人民元安なのであれば、この人民元安の継続具合がみなさんの関心事になると思います。結論からいえば、人民元安は継続をします。

理由は、ドル人民元のレートがヒントです。ドル人民元の計算式は、メルマガでは何度も言っていますが「ドル ÷ 人民元」です。

アメリカのGDPは年間で10-12月で5.5%、中国は今回の1-3月で4.8%です。分母が人民元4.8、分子がアメリカの5.5です。これを受けて、人民元安がスタートをしているのです。

もちろん、アメリカの1-3月期も注目されますが、これは月末の木曜日に発表をされます。今月の場合は28日で、この数字が中国が上回るのか、アメリカが上回るのかの問題です。

おそらくアメリカの成長は3%程度、5.5を超える可能性は限りなく少ないと思います。となると28日以降に人民元がまた人民元高になる可能性があります。

その辺の日程とドル円を整合させるべきでしょう。

根本的に中国と日本経済の為替構造は同じで、円安になると日本経済が好調になるように、中国も経済が好調になります。ロジック的にはこの論は非常におかしな話になるのですが、ここ最近、日本も中国もそれが常態化をしています。

本来なら日本・中国経済が好調であれば、円高・人民元高が正常な形です。

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