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「貯金だけ」の日本人が今やるべき資産防衛術。花輪陽子・山田真哉【特別対談】

GDPの上昇で賃金もアップしているシンガポール

山田:2点ほど気になったので聞いていいですか?シンガポールって、前から物価が高いという話があるじゃないですか。今年に入ってから、それがさらに高くなったんですか?それとも順調に高くなってるって感じなんですか?

花輪:急激に高くなりました。1.5倍というのは、元々コロナで落ち込んでた時と比べると1.5倍になっているのもあるということなのです。長く見れば緩やかで、平均的には2%前後のインフレ率かと。今年のコアインフレ率の予測は3.4%ぐらいなんです。ですが、GDPの成長率も約3.8%なので、経済成長も伴っています。また、来年からインフレは緩やかになると予測されています。

山田:日本では、結局賃金が同時に上がらないから「やばいじゃん!」って話になってますけど、GDPが成長しているなら、シンガポールは賃金も上がっているんですか?

花輪:賃金は上がってますね。2021年は前年比3.9%上昇と発表されました。もちろんコロナの2020年は前年比1.2%と低かったですが20年で賃金は約2倍になっています。

山田:ということは、きちんと働いている人や資産運用してる人にとっては、今のそのシンガポール物価高は、日本ほどひどくは無いっていう印象でいいんですか?

花輪:それでも、物価上昇の方が早いので、富裕層はあまり影響受けてないですが、低所得の人には厳しいです。もちろん仕事は今いっぱいありますし、最低賃金も上がっていますが、インフレのほうが常に先に進みますよね。

山田:あと、もうひとつ。単純に知識不足なんですけど、シンガポールドルと米ドルっていうのは変動する為替ですか?

花輪:シンガポールドルは、通貨バスケット制度で主要貿易相手国の通貨を貿易量で加重平均しているようです。。日本円から考えると、米ドルは1.3倍ぐらいですけど、シンガポールドルは1.2倍ぐらい高くなったイメージです。約80円でずっと計算をしていたのが、、今は97円前後になっているので、100円で私は換算しなきゃです。昔の円米ドルレートくらいになったイメージですね。

山田:じゃあシンガポールに普通に住んでいて、日本が関係ない人にとっては、シンガポールとドルは通貨バスケット制で、そこまで変動があるわけじゃないんですね。

花輪:もちろんUSDとシンガポールドルも完全に連動していないので変動はあります。ただ、シンガポールドルは、米ドルほどではないですけど強くなっています。米ドルの割合が高いので、周辺のアジアの国と比較すると安全と考えられていることもあるかと。

山田:じゃあ、今日の結論はシンガポールに移住してシンガポールで稼いで、日本を捨てたらいいじゃないかって話になっちゃう(笑)。

シンガポールより稼ぎやすい!?マーケットが大きい日本

花輪:ただ、シンガポールはマーケットがもの凄く小さいので、稼ぐのが大変なんです。特に日本語しかできないと。大変なんですけれども、シンガポールでも語学を磨いて切磋琢磨して外貨を稼げるようになった方がいいなと思います。

山田:花輪さんは、シンガポールで稼いでいらしたけど、日本向けでも稼いで、今回の有料メルマガでもそうですけど、日本向けの仕事だと、割が合わないことはないですか?

花輪:だから、収入が入ったらすぐに外貨に変えるとか色々工夫をしています。でもやっぱり、日本って凄くマーケットが大きいのです。単純な話をすると、日本だとメルカリに出品すればすぐ売れますけど、シンガポールのフリマアプリは無反応というか、売れるのに時間がかかります。日本と同じように写真をきれいにとって、同じように載せていても、日本だとすぐ売れるし、高い値段で買い取ってくれます。シンガポールは値引きも凄いので、日本の方がやっぱりまだ稼ぐのは楽だと思います。

山田:やっぱりそういう人口のアドバンテージってあるんですね。

花輪:あります。日本には1億人はまだいるので、シンガポールの600万人弱のマーケットはかなり小さいです。

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