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日本の競争力またも低下、過去最低の34位へ。「消費税」が経済を弱くした2つの証拠=矢口新

なぜ世界で最も消費税率の高いデンマークが競争力首位?

一方で、スウェーデンと共に世界で最も消費税率の高いデンマークが、世界競争力ランキングで初めて1位となった。デンマークは2021年の3位から1位に上昇。スウェーデンは2位から4位に後退した。

参照表01:世界競争力トップ10(出所:IMD)

参照表01:世界競争力トップ10(出所:IMD)

日本では消費税が景気後退と税収減、競争力低下を生んだのに、日本より消費税率が高いデンマークはすべてその反対となっている。

この疑問点に対する私の見方は上記の拙著に詳しいが、ここでは2つのチャートをご紹介しておきたい。

1つ目、下図02は、デンマークの2019年の税収構造だ。棒グラフの数値は、それぞれが政府の総税収に占める割合だ。

参照図02:デンマークの税収構造(出所:OECD)

参照図02:デンマークの税収構造(出所:OECD)

左から所得税収(赤がデンマーク、青はOECD平均)、法人税収、社会保険料、給与税収、固定資産税収、消費付加価値税収、付加価値税を除く消費税収、そして右端がその他となっている。OECDは社会保険料も税収だと見なしていることが分かる。

このうち、景気の動向に比較的左右されない、いわゆる安定財源だと見なせるものが、社会保険料、固定資産税収、消費税収で、OECD平均は総税収の65%、デンマークの場合は34%であることが分かる。

特筆すべきなのは、所得税収が52%と財源の半分以上を占める反面、社会保険料がゼロであることだ。世界的に有名な高福祉国家デンマークの社会保障制度は、所得税収で賄っているのだ。

2つ目、下図03は日本の2019年の税収構造だ。

参照図03:日本の税収構造(出所:OECD)

参照図03:日本の税収構造(出所:OECD)

日本の安定財源は69%と、デンマークの2倍以上だ。政府は景気の動向に比較的左右されない安定財源を導入したことで、景気が悪くなった。また、景気が悪くても一定の税収確保が出来るようになった反面、景気が良くても税収がそれほど増えなくなった。

結果的に、新税制になってからは税収が増えず、消費税率を5%に引き上げてからは経済も成長せず、競争力が低下することになったのだ。

「税制」が日本経済の足かせに

安定財源とは、国民の生産能力を信頼せず、個人や企業の非常時にも一定の財源を確保しようとするものだ。一方の所得税や法人税(所得税の企業版)は、利益という生産能力の果実に課税する。

消費税や社会保険料が低く、所得税や法人税が高いのは、ビジネスの初期コストを引き下げて、成長力を促した上で、その果実に課税することを意味する。

つまり、デンマークの税制は国民を信頼した税制だ。その結果、経済が成長し、税収が増え、社会保障制度が充実した。

一方、日本の税制は、国民がもたらす成果を待つことをせず、最初に納税ありきとしているのだ。

Next: 日本が世界一だった頃に「税制」を戻せば、経済も復活する

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