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中途半端なコロナ「ただの風邪」扱いの危険度。満員電車を放置して経済を回す政府の罪=斎藤満

中途半端な「ただの風邪」扱い

こうした現場での混乱は、政府の新型コロナ対応が中途半端なために起きている面があります。

感染者は増えても重症化する数は少ないとして、かつてのような規制を設けない一方で、感染したりコロナ陽性となれば、濃厚接触者も含めて一定期間の隔離を求めています。

その点は「ただの風邪」とは異なります。ただの風邪なら、薬を飲んで本人が治ったと思えば活動再開となります。

しかし、新型コロナでは市販の薬がなく、自宅やホテルで隔離されても、治療を受けられないまま「様子見」を余儀なくされる人が多く、しかも隔離されると仕事も家事、子育てもできなくなり、社会的な混乱をもたらすことになります。看護士不足、保育士不足、運転手の不足がこれによって露呈しました。

政府は慌てて濃厚接触者の隔離期間を短縮しましたが、新規感染者数が1日に20万人を超えてくると、濃厚接触者を含めて社会経済活動から排除される人が爆発的に増えます。

一度に感染者が大量に出ないようにするには、ある程度の行動規制が必要になります。

ある部分は「ただの風邪」として扱いながら、感染者、濃厚接触者には一定期間の隔離を求める中途半端が、社会経済の混乱を呼んでいます。

不安解消と医療体制

こうした混乱を改善するためには、2つの視点、つまり「ただの風邪」並みの対応が可能な形を進めることと、国民の間に無用な不安を持たせないようにすることです。

多くはこの2つを同時に満たすことができます。

まず、ファイザー社の経口治療薬など、ここまでウイルス抑制のコロナ治療薬は限られていて、一般の患者はなかなか利用できない状況です。しかし、バイデン大統領が投薬され、すぐに快方に向かったとされるファイザー社の経口治療薬など、現在承認されている治療薬を一般医療機関にも使えるようにし、コロナの感染が確認された人のうち、まず基礎疾患のある人、高齢者から投与できるようにすること。

数が少ない場合は早期に輸入して取り寄せるか、国産の経口治療薬を承認し、あるいは補助金を出してでも生産、開発を急がせること。

新型コロナの不安要因の1つは、感染しても治療薬がない不安でした。しかも、医療ひっ迫で入院も診察もしてもらえない事態も不安をあおることになります。

近所の医療機関で対応できれば、インフル、風邪と同様の安心が得られます。

その点、一般医療機関でも検査できるよう、検査キットの増産、医療機関への配布が必要で、経口治療薬も一般医療機関に一定量配布する必要があります。そしてコストを政府自治体の負担とするか、保険適用で患者に負担を求めるかも決める必要があります。

また症状が比較的軽いのに対し、ワクチンの副反応が重く、あるいは接種後の死亡リスクもあります。ワクチン接種で重症化が回避できるなら、感染によるリスクよりもワクチン接種の副反応、リスクが小さいことを国民に示す必要があります。

特に、これまでワクチン接種後に死亡したケースが1,000件以上ありながら、ほとんどが「因果関係不明」で片づけられています。ここに一歩踏み込む必要があります。

Next: テレワークをやめる動きも。「ただの風邪」と思わせるだけの安心材料が必要

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