とうとう五輪汚職はオフィシャルグッズ枠の選定に絡むものまで出てきました。マスコット販売を行ったサン・アロー社ですが、結局これも上納するカネ次第で業者選定が行われていたことが発覚。五輪グッズまでもが見るたび汚職を思い出すネガティブな記念品に成り下がってしまいました。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2022年9月26日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
あのマスコットまで真っ黒だった?
オフィシャルパートナーの選定を巡って凄まじい裏金が飛び交っていたことが次々と明るみに出ている東京五輪の贈収賄事件。
8月から逮捕拘留されている高橋容疑者の拘留期限再延長・再々逮捕に向けてなのか、今度は東京五輪マスコット選定領域を巡る贈収賄事件も発覚する始末です。
大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者が、サン・アローが大会マスコットを販売できるように組織委員会側に働きかけ、およそ800万円をせしめることに成功したという報道が飛び出しました。
関係者への取材でわかったという話になっていますが、もちろんリークしているのは検察に間違いなく、今回の東京地検の東京五輪の捜査は想像をはるかに超えた広範で大がかりなものに発展していることが見えてきています。
2020年東京五輪オフィシャルグッズは延期の果ての無観客開催も重なり、いまだにいくつかの通販サイトでは売れ残りが粛々と販売されています。メルカリに出品される量も驚くほど多く、完全に市場で行き場を失った中で、ロゴを見るたび汚職を思い出すネガティブな記念品に成り下がってしまいました。
裏金を渡した業者たちも、さぞや費用対効果のない事案であったことを検察の魔の手に怯えながらも今さらながらに後悔しているのではないでしょうか。
「オフィシャルグッズよ、お前もか」という超がっかりな事態
今回、やり玉に上がったのはこれまでの東京五輪オフィシャルサポーターという枠ではなく、いわゆるオフィシャルグッズ枠の選定に絡むもの。
ぬいぐるみ販売の「サン・アロー」は、2018年7月から大会マスコットのミライトワとソメイティの販売を手がけていますが、結局これも上納するカネ次第で業者選定が行われていたことが発覚しています。
このことから、90近くあると言われているほかのオフィシャルグッズも、ほぼ同様の真っ黒いスキームでできあがっているのでは?といった哀しい予測も出回りはじめています。
五輪を通じて子どもたちに未来への夢と希望を与えるはずのマスコットが、未来とは腹黒で底なしの悪人守銭奴の爺が暗躍して真っ黒な世界であることを示唆しているわけです。
東京オリンピックはとうとう「汚職のレガシー」として人々の記憶に残ることになってしまったようで、これからの展開次第では、さらにひどい戦後最大の疑獄事件に発展することが予想されます。