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「円安=国力低下」の嘘。日本が“安い国”になった3つの理由、競争力復活を見据えて個人がやるべきこと=栫井駿介

<「日本品質」を海外展開する企業に投資する>

そして企業の観点を見ますと、消費者天国である日本。

世界一厳しい顧客持つ日本で安い価格で何とか利益を出そう。しかも一方で、高いクオリティは維持しなければいけないということを考えると、何が起きるのか考えてみましょう。

高品質・低価格という、冒頭の競争力という話に戻るのですが、競争力の強い商品・サービスというのがしっかりと出来上がるのです。

これをGDPの増えない日本で展開するのではなくて、それをそのまま海外に持っていったら、日本よりも高い価格をつけてもきっと売れるはずです。
売れるし、もう負けようがないのです。

実際にそういう商品、特に製造業ではかなり見ます。

例えば自転車のブレーキに使われるシマノとかは代表的な例です。やはり日本品質。日本品質は、やはりそういうところに因果関係があると考えるわけです。

しかも今これは一時的かもしれないですが、今円安ですから、日本で作った商品を海外で売れば(しかもインフレの海外で売るわけです、日本よりも高い価格で)確実に成功するでしょう。

今は同じものを買うにしても、外国で買うよりも日本で買った方が安いのです。売る方にとっては逆で、日本では安い価格でしか売れなかったとしても、同じものを海外で売れば高く売れる。

しかも円安のメリットも受けられるし、さらには競争力。この日本で培って磨き上げた競争力、高品質の競争力がありますから、それができるわけです。

実際に自動車会社を分析していても、(おそらくなのではっきりとは言いませんが)海外の方が多分高く売ってます。海外の方が1台あたりの売り上げが大きかったりします。

そういった展開。つまり日本の製造業の復活っていうのは、ここを地道にやっていけば十分に起こりうるのではないかと私は考えています。

もちろんそれは低賃金の日本の労働者に甘んじている。この高度経済成長のようなときではいけないと思うのですが、あくまで「製品のクオリティ」でこれを海外に持って行ける企業。

半導体製造装置メーカーなどもそうです。日本クオリティを入れないと、もはや作れないものも存在しているのです。

そういったものを積み重ねていけば、日本の競争力はきっと戻ってくる。
投資家としては、そういう企業を見つけて投資しておくということが必要です。なんならそういう企業で働いた方がいいかもしれないです。

海外に物を売るわけですから、やがては海外水準の給料が得られる一方で、日本の安い消費者天国を享受するということができるわけです。

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image by:polkadot_photo / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2022年10月28日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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