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「円安=国力低下」の嘘。日本が“安い国”になった3つの理由、競争力復活を見据えて個人がやるべきこと=栫井駿介

理由その3:海外よりもインフレが進んでいない

結果、海外よりもインフレが進んでいないのです。先ほど「円安で日本企業や日本が安い」という話ありました。

確かに円安の恩恵は間違いなくある。ただそれだけではなくて、そもそもこういった要因によってインフレ自体が進んでない。

だから日本の商品は安いということが挙げられるわけです。実際海外では、結構ひどいことになっています。

あっという前に価格が何倍になって、それこそ貧困層の人たちは何も買えないという状況になっているのです。それに対して日本は数%、インフレ率にして2%前後とか、個別の商品を見ても10~15%程度の値上がりで済んでいるのです。

むしろ世界的に見て非常に幸運な状況。消費者としては幸運な状況にあるということが言えます。

各国インフレ率

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実際各国のインフレ率を見てみますと、日本は2022年に入ってからも2%そこそこです。しかし米国、それからヨーロッパ・ユーロ圏も8%超えてきています。

トータルでこれですから、個別の商品でみたら本当に2倍は当たり前というところがあるのではないかと思います。

この値段が上がってない恩恵というのは、非常に特筆すべきだと考えます。

「安い日本」メリットとデメリット

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要するに日本は消費者天国なのです。消費者天国である日本にとって、当然メリットもデメリットもあるわけです。

<メリットその1:高品質・低価格>

メリットとしては、高品質。そもそも日本の商品は高品質なんです。

それは消費者の要求が高いからということが挙げられます。それに対して価格が上げられないという消費者の特性。

(高齢化の特性というところもあるのですが)高品質・低価格というところがあります。

<メリットその2:インバウンド需要活性化>

これだけ消費者天国であると、インバウンドが今再開されましたが、その需要がどんどん活性化してくるのです。

これは少なくとも、インフレがそんなに起きない限りは、当面は日本や商品が安いということになってくるでしょうし、他の国に比べてもやはり独特なものが多いですから、日本を惹きつける魅力度は上がっているのではないかと思います。

<メリットその3:弱者が切り捨てられにくい>

さらには、弱者が切り捨てられにくいです。モノの価格を上げるといっても、ちょっと貧しい人は絶対買えないみたいな値上げが起きることはあまりないわけです。そこは消費者としても、やはり恩恵を受けられやすい場所だと考えます。

一方で、デメリットもあります。

Next: 「安い日本」3つのデメリットとは?私たちはどう対処すべきか

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