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「円安=国力低下」の嘘。日本が“安い国”になった3つの理由、競争力復活を見据えて個人がやるべきこと=栫井駿介

<デメリットその1:賃金が上がりづらい>

消費者天国として日本はあるのですが、その反対を見てみますと、働く人あるいは企業にとっては、結構しんどい状況でもあったりします。
賃金が上がりづらいのです。

低価格を維持しようと思ったら、賃金を上げると価格に転嫁しなければいけません。ゆえにちょっとここは我慢してよということで、賃金がなかなか上がらなかったり、高品質を求められますから、働くことに対する負荷が大きかったりします。

<デメリットその2:とびぬけても報われない>

また、とびぬけても報われない。画一的な意識が強いので、日本企業で非常に高い給料を得ることは難しかったりします。

<デメリットその3:安定=固定的>

それから安定というのは固定的でもあって、安い賃金であってもそのまま働き続けることが正義だと考えられたりします。皆さんの奥底にも、そういった意識が植え付けられているところがあります。

だからこそインフレが進まない安定性があったりもします。例えば、近くの身近な方を見ていますと、正直、給与水準としてはかなり最低賃金に近いところで働いていても、より高い給料を求めて転職しようとしなかったりするのです。

なぜかというと、そもそも職場に人手が足りていないので「自分が抜けたら、場が回らなくなってしまう」と考えてしまうのです。めちゃくちゃいい人なんですが、それは本来、経営者が考えることであって、その一パート職員としては、そんなこと考えずに「嫌なら辞めてやるよ」で本来いいはずです。

しかしそれが起きにくいというのが、日本の特色でもあるわけです。逆に言うと、それに甘えている経営というのも一部にはあると考えます。

あなたがやるべきこと

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消費者天国として働く人にとって厳しい日本なんですが、最大限メリットを享受しようと思ったら、簡単に言うと、高い給料を得て、消費者天国・日本に住めば、こんなに素晴らしいことはないのです。

<高品質・低価格を享受する&より給料の高い仕事を見つける>

従ってあなたがやるべきことは、結構はっきりしてきます。

それは、高品質・低価格を享受する為、給料の高い仕事を見つけるということです。もちろんそれが自分にとってあってる仕事だったら、それはそれでいいと思います。

しかしあってもいないし給料も安い。そんなところに、居酒屋でくだを巻きながら、無理にいる必要はないのです。
自分の能力を生かして、自分がもっと好きな仕事に動いていくということ。

これは給与も上がっていって、より豊かな生活になるはずです。

日本でこれから、まさに生産年齢人口が減っていくにあたって、おそらく労働者そのものが足りなくなると私は考えています。すると何が起こるのかというと、給料、時給単価を上げないとそもそも働く人が集まらないから、必然的に給料上がっていきそうだと思うのです。

そこで動かずに安い給料でも甘んじて働いてる人がいたら、逆にそれでいいんだということで、経営は安い給料のまま新しい人を入れてしまうのです。そうではなくて、「もうこんな安い給料だったら働かない」という人たちがどんどん増えてきたら、その時初めて給料が本格的に上がっていくことになってきます。

例えば労働組合みたいなところが「最低賃金上げろ」と言うのもちろん大切です。しかし重要なのはそうではなくて、

  • 1人1人の労働者がちゃんと動いていく
  • 経営者に対する意思表示をする

ということになってきます。

Next: 製造業が復活する?「日本品質」を海外展開する企業に要注目

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