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GAFAMの全盛期は終わったか?業績が冴えない5つの理由、長期投資家が知るべき「一時的な伸び」と「長期的成長」の違い=栫井駿介

<前期の伸びが高すぎた>

というのも、今減っていると言いましたが、前期まで伸びが高すぎたというのが一つあります。
40%も売り上げが伸びていましたから、これに対して(確かに)6%下がってはいます。
しかしそもそも、コロナ特需の側面は必ずあるわけです。

<マイナスにならないだけすごい>

それに対して(特にYouTubeの巣ごもりなど)コロナ特需があったのですが、それに対して、全体としてはまだプラスを維持してるのがすごいと思います。
マイナスにある程度転じるというのは、人々の動きからしてもある意味明らかだったわけです。

それは果たして成長の鈍化、あるいはマイナス成長と言えるのか?というところを、もう一度考えてみたいと思うわけです。

<重要なのは、これからの人々の動き>

重要なのは、これらの企業を支える人々の動きを見ること。
それが本当の長期投資にとって重要なことではないかと思うわけです。

「一時的な伸び」と「長期的成長」の違い

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このような話をするのは「業績の一時的な伸び」と「長期的成長の違い」を、長期投資家としては見極める必要があるからです。

例えばこの一時的な伸びというのを雪で例えるなら、ものすごく大雪が降って雪だるま作りました。
しかし、それは一夜にして終わってしまって、天気が良くなれば溶けてしまってなくなってしまう。
これが一時的な伸びに過ぎないということなのです。

例えば直近で言うならば、海運です。
海運というと、日本郵船などがあります。
海運会社は、コンテナ船が出向できないということで、運賃がものすごく上がったのです。

それに乗じて一時的にものすごい儲けたわけです。
しかしそれは長続きするものではなくて、株価もそれに合わせて下がってくる。

これは単に一時的なもの。
株価もそうですし、業績もそうです。

これが一時的な伸びに過ぎない(ということです)。
だからこういったものであれば、早めに売る必要があるわけです。

一方で長期的な成長というのは、雪玉を少しずつ、転がしていくようにしてどんどん大きくしていく。

雪玉って皆さん作ったことあると思うのですが、最初は小さい雪玉でしかありません。
しかしそれを転がしていくと、徐々に徐々に大きくなって、やがてはものすごく大きくなる。
人の手では転がしきれないような大きさになるわけです。

こうやって、せっせと作られた雪玉で何が起こるかとていうと、まず何より複利的な成長というか、雪玉自体が大きくなる。
その表面積が加速度的に大きくなるので、後半になって大きくなればなるほど、伸び率みたいな、伸びる体積がどんどん増えていくのです。

それはまさに業績で言うところの複利的成長になってきて、右肩上がりの直線が、直線じゃなくてどんどん曲線的に角度をつけて上がっていく。
そんな成長が見られるのが、長期的成長の特徴です。

そして、この長期的成長は何が重要かというと、雪玉のように核を作ることが大事なのです。
すなわち、根本的な事業がしっかりしていればいるほど、溶けにくいものが出来上がっていく。

万年雪というものもありますけれども、そうやってじっくり時間をかけてしっかりと確かに作られた核は、なかなか溶けません。
そしてそれを転がしていくことによって、大きな雪玉・大きな成長を遂げられるわけです。

これをやっている限りは、ちょっと景気が悪いからとか調子が悪くなったからといって、簡単になくなってしまうものではない。
すなわちこれこそ、長期投資家が見るべき価値というところになるわけです。

長期的成長と一時的な伸びを見極めなければならないと言いました。

一時的な伸びというのは、先ほどお示ししました海運のように、一時的に何かの価格が上がって今期・来期は儲かった。
しかしその後は元に戻ってしまうというものです。

一方で長期的な成長というのは、ちょっとやそっとでなくなってしまうものではなくて、むしろ時間が経つごとにどんどん大きくなるものである。

全盛時代は終わったのかというテーマに戻ります。
今の動きに照らし合わせてみると、人々の動きを見ることで、これがコロナ禍による彼らの伸びというのが、コロナ禍・あるいはそのITの一時的な伸びだったのかどうかというのを、皆さんの身の回りから見分けることができるのではないかと思います。

Next: GAFAM全盛時代はまだまだ続く?各企業を個別に見ると…

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