<要因その3:景気減速>
また景気減速も叫ばれています。
景気の減速を直接的に表しやすい、これらの業績の中では広告があります。
とくに広告収入に大きく依存しているのが、GoogleとFacebookです。
広告の伸びが、止まってしまった。
なぜそれが景気の体温を表すかというと、企業は景気が悪くなると、まず絞るのは広告だったりするからです。
広告は正直やってもやらなくても、とりあえずは食っていけるというところがあります。
ゆえにまずは予算を絞るということになると、広告費から絞る会社が多いのです。
その広告費がキュッと絞られているということは、これらの企業に与える影響はもちろん、その他経済情勢として、やはりリセッション・景気後退に向かっていることが、今回の決算からある意味明らかになってきているというところがあります。
<要因その4:コロナ禍特需の終焉>
またコロナ禍特需の終焉。
各社IT化の波に乗りまして、業績の伸びを記録してきました。
それに伴って株価も上がったのですが、それがいよいよ終わりだと見られているのではないか。
これは業績的な面もあるのですが、ある意味、投資家の心理も表してるのだと思います。
特にこれまで伸びてきたこれらの銘柄を持ってた機関投資家。
実はずっと(銘柄を)保有している機関投資家は、あまりいません。
できることなら、株価が下がる前に利益確定したいと思っていることが非常に多いのです。
これまで上がってきたことから、これらの企業を何とか早いうちに、下がってしまう前に利益確定したいと思う投資家が多いのではないかと思います。
少しでもこういったネガティブな材料、あるいは成長鈍化の様子が見られると、売ってしまおうと考え、株価が下がる。
今そのような状況ではないかと想像します。
<要因その5:プラットフォームの変遷>
また少し大きな流れの中では、プラットフォームの変遷もあるかなと感じます。
例えばメディア。
広告を左右するメディアの閲覧状況。
YouTubeとかFacebook、これは各SNSと競合があります。
特に今は、中国の方でByteDanceが運営するTikTokが非常に伸びていると言われています。
つばめ投資顧問もYouTubeで発信していますが、「TikTokに負けまいとショート動画を作りませんか?」みたいな提案がYouTubeの方から、自動表示で出るわけです。
それほどGoogleも今回売り上げが減少に転じたということですが、焦りを感じている部分があるのではないかと思います。
Facebook(Meta)に関しては減収。
さらにはMetaは、メタバースに注力するということでいま多額の投資を行っている。
しかしこの投資が費用をかさませる結果となって結果、利益は半分になってしまっているという状況です。
これらのネガティブなファンダメンタルズの材料があって、株価が下がったというところです。
GAFAM全盛時代は終わったのか?
ここで問題になるのが、GAFAMの全盛時代は、もう終わってしまったのか?ということです。
とにかくこれらの企業は、高い成長を遂げてきた。
それが米国株を牽引してきた部分があるわけです。
しかしこの成長鈍化によって、長期的な成長もいよいよ終わりじゃないか?
というような意見がSNSと特にYouTubeなどで、煽り文句として言われるようになってきています。
<私は全盛時代が終わったとは思わない>
ただ、それはかなり短期的な視点に立っているんではないかという感じがします。
私はこのGAFAMの全盛時代(全盛かどうかは分からないですが)は少なくとも、「個別の企業を見たときに、そこまで長期的に見てネガティブに感じるものかな?」というのが率直な感想としてあります。