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GAFAMの全盛期は終わったか?業績が冴えない5つの理由、長期投資家が知るべき「一時的な伸び」と「長期的成長」の違い=栫井駿介

過去5年平均を下回るPER

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さてこのGAFAMのPERが、今どうなのか?
今期予想PERを並べました。

実はこれらいずれも過去5年の平均PERを下回っている状況です。

  • Google:平均32.5倍に対して18.4倍。
  • マイクロソフト:24.4倍。
  • Meta:9.4倍。
  • Amazon:100倍。

Amazonは、そもそも利益を出さない企業。
利益をどんどん後回しにする企業なので、数字自体は参考にならないのですが、アップルはほぼ平均通りになっています。

このPERというのは、これから将来に向けての成長をどれほど見ているのかという数字になります。
これらの企業がこれからも成長をしっかり遂げるだとすれば、今、過去よりも安くなっているこの数字というのは、もしかしたら安いときなのではないか?というところがあります。

少なくとも他の企業に比べても高いという数字ではなくなってきていますので、非常に面白いところではないかと思います。

一方で先ほど言いました、Metaが単純にPERが低いから買い時かというとそういうわけではなくて、重要なのは「長期的な成長性」。

ちゃんと核を固められて大きく伸びるか、というところが大事になってくるわけで、単に低いから投資していいというものでもないというのは付け加えておきます。

まとめ

さて今回の話をまとめます。

<景気減速に伴って、各社踊り場となる可能性>

今GAFAMは景気減速に伴って、各社踊り場となる可能性は十分にある。
そうなるのがメインシナリオである。

ただ当然そのことは、多くの投資家がわかっていますから、もしかしたら株価には十分織り込んだという可能性もあるのです。
もちろんまだまだ業績は下がるから、株価も下がるのではないかと思うかもしれません。

しかし例えば次回業績が下がったとしても、実はもう株価に織り込まれてたから株価は上昇に転じる、みたいなことも十分にあるのです。

<もうはまだなり、まだはもうなり>

だからこの格言を思い出してほしいのです。
「もうはまだなり、まだはもうなり」

「もういいか」というときは「まだ」だったりしますし、「まだだろう」と思ったときには「もう」だったりします。
要するに、この感覚というのは、あまり当てにならないということです。

<重要なのは「一時的な伸び」と「長期的な伸び」の見極め>

したがって、短期投資家はこの微妙な違いを見極めなければいけないのです。
しかし長期投資家に必要なのは、こういった株価がどうなるかということではなくて、先ほど説明しました雪玉の例え。

一時的な伸びと長期的な伸びをしっかり見極めて、長期的な伸びであれば、別に今慌てて逃げて売り抜けてしまおうと思わなくても全然(大丈夫)

数年後にはまだまだ伸びている可能性が高いと言えるわけです。

<ヒントはあなたの身近にある>

そしてヒントです。
本当に長期的な伸び、ちゃんと段階を踏んで上がっているか?急になくなってしまうようなものではないか?というのはあなたの身近にあるわけです。

  • iPhoneを使っているかどうか。
  • YouTubeを見ているかどうか。
  • Microsoftのパソコン使ってるかどうか。

そういったところを見ていく必要があるわけです。

そして、その上で、いい企業、この企業は大丈夫だと(判断する)
少なくともAmazonのサービスを使い続けるだろうと思うならば、そういった長期成長する企業を今、この株価が下がったタイミングで買っておけば、そんなに不安を感じる必要なんてないわけです。

これが株価ではなくて価値に投資する。
長期投資の本質なのです。

皆さん価値と株価の違いわかっていただきましたでしょうか?

価値とは、長期的な成長のこと。
一方で株価とは、一時的な伸びであったり、投資家の一時的な反応だったりします。

一時的な反応に惑わされずに、その企業がちゃんと雪玉を転がせているのかということを念頭に、長期投資に取り組んでいただきたいというのが私の思いです。

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image by:Koshiro K / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2022年11月10日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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