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大末建設、建設資材価格高騰の影響で業績予想を修正 DX推進で収益性の改善と競争優位性の確立を目指す

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2022年11月25日に発表された、大末建設株式会社2023年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

2023年3月期第2四半期決算説明

村尾和則氏:大末建設株式会社代表取締役社長の村尾でございます。本日は2023年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私から2023年3月期第2四半期の決算概要とプライム市場上場維持基準の適合に向けた進捗状況についてご説明させていただきます。

1.決算サマリー

決算サマリーについてです。スライド上部のグラフはグレー部分が繰越工事高、赤が受注高、青が完成工事高を表しています。

2022年9月期の連結受注高は複数の大型案件が寄与し、前年同期比282億5,000万円増の598億1,400万円となりました。受注高の増加により、連結繰越工事高も前年度末比213億9,100万円増の912億6,900万円と、高い水準となっています。

連結営業利益額は、建設資材価格の急激な高騰による建築コストの上昇により、前年同期比17.1パーセント減の9億3,100万円、連結営業利益率は前年同期比1.0ポイント低下し、2.4パーセントとなりました。

2-1.連結受注高推移

連結受注高の推移です。マンションなど複数の大型案件が寄与し、前年同期比282億5,000万円増の598億1,400万円となりました。今年度の予想は752億円です。

2-2.連結受注高推移

連結受注高の用途別・地域別の推移です。用途別ではマンション・集合住宅が増加し、7割強を占めています。また、近年需要が高まっている物流倉庫も堅調にボリュームを確保しています。

地域別では近畿と中部が増加しています。全体の比率で言いますと、関東と東北の東日本で約5割、名古屋以西の西日本で約5割となっています。

3.連結売上高推移

連結売上高の推移です。前期からの繰越工事高と受注高の増加により、前年同期比61億400万円増の388億1,800万円となりました。当期末の予想は709億円です。

4.連結売上総利益推移

連結売上総利益の推移です。売上高は前年同期より増加したものの、建設資材価格の急激な高騰による建築コストの上昇が響き、売上総利益率は前年同期比1.6ポイント低下し、6.9パーセントとなりました。その結果、連結売上総利益は前年同期比1億500万円減の26億6,700万円となっています。

5.連結貸借対照表

連結貸借対照表です。売上高の増加により売上債権と仕入債務が増加したこと、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことで、総資産は前期末比10億1,000万円増の496億7,200万円となりました。

6.連結キャッシュ・フロー

連結キャッシュ・フローです。現金および現金同等物は、売上債権の増加などにより25億7,200万円減少し、四半期末残高は47億4,800万円となりました。なお、下期に工事代金の回収が集中していることもあり、期末残高については前期末と同水準となる見込みです。

7.連結営業利益の増減要因

連結営業利益の増減要因です。完成工事高の増加により4億円積み上げたものの、建築コスト上昇による工事採算の低下の影響が大きく、営業利益額は前年同期比1億9,200万円減少し、9億3,100万円となりました。

《ご参考》建設資材高騰等の現状(2022年9月版)

2023年3月期の業績に影響を与えている建設資材の価格高騰について、日本建設業連合会の資料「建設資材高騰等の現状」を用いてご説明します。2021年より、建設工事に用いる幅広い資材でこれまで経験したことのない価格高騰・納期遅れが発生しています。

スライドには、当社が特に影響を受けているものを赤枠で囲んで示しています。鉄筋コンクリート造で多く扱う「異形棒鋼」「コンクリート型枠用合板」や、記載のない「生コンクリート」も高騰しています。物流倉庫などの鉄骨造で多く扱うものでは「H形鋼」などが挙げられます。

これらの建設資材全般の価格高騰により建築コストが上昇し、その価格上昇が最大となる時期に多くの物件の着工が重なったため、予想を大きく上回る影響を受けました。

今後の対応策としては、見積段階で案件審査を厳格化し、案件の計画段階から事業主と協議して価格転嫁できるよう努めていきます。また、景気や為替の影響は業種によって波があるため、幅広い業種から工事を受注してリスクを分散させます。さらに、生産性の高い大型案件を受注し利益を確保することで業績回復に努めていきます。

8-1.主な完成工事・受注工事

上期の主な完成工事・受注工事です。完成工事では、注力分野である物流倉庫の「T-LOGI加須」、リファイニングという工法で新築同等に改修した賃貸マンションの「シャトレ信濃町」などがあります。

受注工事の「宮元町第二地区優良建築物等整備事業」は、群馬県高崎市にあるスズラン百貨店とその周辺一帯を再開発する大規模プロジェクトで、商業棟と住宅棟、駐車場棟などの工事を請け負っています。

当社が得意とするマンション・集合住宅の受注も堅調で、多種多様な建物に携わっています。

8-2.主な完成工事

スライドに主な完成工事の写真を掲載しています。当社のホームページには、過去の施工案件を含めた多くの施工実績を掲載していますので、ぜひそちらもご覧ください。

9.SDGsの取組み(中期経営計画より)

SDGsの取り組みについてです。リニューアル工事や耐震改修工事の受注、新規技術開発、社員1人あたりの売上高生産性の向上など、スライドに記載のような目標管理指標を設定し取り組んでいます。2023年3月期第2四半期は前年同期を上回る結果となっており、今後も継続して推進していきます。

10.地下ピット無人点検ヘビ型ロボットの共同開発

9月にリリースしたヘビ型ロボットの共同開発についてご紹介します。電気通信大学と共同で、建設現場の地下ピット内を、人の操作を必要とせず自律的に移動し点検するヘビ型ロボットを開発しました。地下のピットは天井が低い上、狭く、湿度や二酸化炭素濃度が高いため酸欠の危険があるなど、点検にはかなりの負担がかかります。

今回開発したヘビ型ロボットは自律走行型で、カメラとバッテリーを搭載しており、電波の届かない場所の点検が可能です。また、最高1メートルの高さまで段差を乗り越えることができ、障害物を回避しながら内部の状態を撮影します。

このロボットの運用により、点検員の業務環境の改善や業務の効率化が期待されており、今後当社作業所での実運用を経て、2025年頃の一般販売を検討しています。

プライム市場上場維持基準の適合状況

プライム市場上場維持基準の適合状況についてです。流通株式時価総額は、株価が堅調だったこともあり、2022年9月末時点では99億9,000万円でした。しかし、業績修正や配当修正を行ったため、直近では株価が下がっており、業績修正後から昨日までの平均株価で試算すると、約78億円です。

1日あたりの売買代金は、2022年9月末時点では0.5億円で、上場維持基準をクリアしています。その他、適合計画書に記載した各指標の進捗状況については、スライドに記載のとおりです。

建設資材の価格高騰が響き、当期の業績および配当予想を修正するかたちとなりましたが、早期に業績を回復させ、プライム市場の上場維持基準の達成を目指します。

具体的な取組の内容

企業価値向上策の具体的な取り組みの内容です。2025年3月期までのStep1では、本業強化のために50億円を投じ、生産性向上を目的とした、建設現場を中心とするDX化や、受注拡大に向けた営業関連業務などのDX化、超高層、超大型案件への進出により、収益性を改善します。

2030年までのStep2では、さらに50億円を投じ、周辺事業や新分野へ事業領域を拡大します。ESGやSDGsへの対応、脱炭素社会への貢献に向けた取り組みも実施し、ゼロエネ関連技術の開発や、環境事業への進出も考えています。また、ZEBやZEHの取り組みや、木造建築の研究も進めています。Step1、Step2の実行手段として、M&A、専門人材の登用なども、積極的に実行していきます。

戦略的成長投資1 (DX計画概要)

成長投資の柱である、DXの取り組みについてご説明します。2022年4月1日に、私を本部長とするDX推進本部を立ち上げました。当社のDXは、営業力・施工力・設計力の強化、生産性の向上を目的としています。

営業DXでは、過去案件および現在の市況データを即時に取り入れ、見積スピードや積算精度を高めることで、受注確度を向上させます。

施工DXでは、現場のモバイルシステムを整備します。全作業所員が、場所を選ばず業務を行える環境を構築することで、1人あたりの生産性を向上させます。また、今後は、施工データを蓄積することで、事前に危険予知が可能となり、より安全で、品質の高い建物の施工を目指していきます。

設計DXでは、BIMを活用し、3次元での設計監理を行うことで、不具合を防止し施工性を向上させます。これら、3つのDXシステムを早期に稼働させ、収益性の改善と競争優位性を確立していきます。

戦略的成長投資2 (DX計画概略ロードマップ)

計画実現のためのロードマップです。投資効果の早期実現を目指し、インフラ整備や環境整備から進めています。

配当政策

配当政策です。企業価値向上のため、積極的な成長投資と株主還元を実施していく考えのもと、2023年3月期より、配当性向を50パーセント以上としました。

今年度の配当は、期初の時点で年100円を予定していましたが、業績予想の修正をふまえ、誠に遺憾ながら、中間配当を30円、期末配当を30円の年60円とする予定です。役職員一丸となり、早期に業績を向上させ、配当を増やせるように努力していきます。

ガバナンスの強化

ガバナンス体制に関する、具体的な取り組みについてです。今年度については、業績連動型株式報酬制度の導入や、独立社外取締役3分の1以上の選任、女性取締役の登用など、体制強化を進めています。今後は、ESG関連の取り組みやIR活動も積極的に行っていきます。

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