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消滅?絶好の買い場?FTX破綻で「暗号資産」の未来はどうなるのか。業界屈指のクリーンな取引所が信頼を失ったワケ=俣野成敏

暗号資産取引所大手FTXトレーディングの経営破綻は金融業界に衝撃を与えました。なぜ業界屈指のクリーンな企業と考えられていたFTXが破綻したのか。今回の事件が世の中に与えるインパクトと予想される未来について、海外金融の専門家に話を伺いました。( 俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編 俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編

【関連】なぜ日本は「安い国」に成り下がったのか。安い物価のツケを低賃金で払い続けてきた私たち、インフレで総貧困化へ=俣野成敏

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編』2022年12月15日号の一部抜粋です。続編にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012年独立。フランチャイズオーナーや投資家として活動。サラリーマン時代に副業で出版した『プロフェッショナルサラリーマン』でビジネス書作家デビュー。「仕事術」「お金」「コンディション」「副業」などテーマは多岐にわたり、異分野で10万部超えを3度達成。著者累計は49万部。これからは、サラリーマンでも副業やお金の知識向上が不可欠と実感し、啓蒙に尽力している。ビジネス誌やwebメディア掲載実績多数。『まぐまぐ大賞』を7年連続受賞。

クリーンなはずのFTX破綻に業界騒然…暗号資産の未来はどうなる?

こんにちは、俣野成敏です。本日は「暗号資産の未来はどうなる?」特集をお送りします。

11月11日、金融業界に衝撃が走りました。暗号資産取引所大手のFTXトレーディングが経営破綻し、チャプター11(日本の民事再生法に相当)を申請したのです。

これまでにも、数多くの暗号資産取引所が破綻してきましたが、FTXは暗号資産業界の“白馬の騎士”とも呼ばれていた企業でした。

今回は、海外金融の専門家・織田耕平さんをゲストにお呼びしています。暗号資産の未来に暗い影を落とすこととなったFTXの破綻。今回の事件が世の中に与えるインパクトと、予想される未来について、織田さんに詳しくお伺いしたいと思います(本特集は会話形式でお送りいたします)。

プロフィール:織田耕平(おりた こうへい)
国内の大手精密機械メーカー海外営業部に配属され、東南アジア・オセアニア地区のセールスマネジャーとして国際ビジネスの現場で経験を積んだ後、国内証券会社に転職。超富裕層を相手に、プライベートバンカーとして個人・法人の資産形成から事業承継に至るまでを一手に引き受ける。そこで航空機を用いた資産運用法と、それによる高い節税効果に気づき、航空機専門商社・リース会社に転職する。各業界を比較検討した結果、「これまでの経験すべてを活かせる場として、海外金融業界で生きていく」決意を胸に、2015年4月に起業。シンガポールにてJIFPA(S)PTE LTDを立ち上げる。現在は、JIFPASのCEOにて海外不動産コーディネーター、シンガポール富裕層へのコンサルティング、金融機関向けに金融商品の開発等を手がけている。

※本記事は、織田さんへの取材をもとに、筆者(俣野)が適宜内容を補って執筆しています。

「白馬の騎士」の正体とは?

俣野:ついに、FTXの創業者が逮捕されましたね。

※参考:FTX創業者、バハマで逮捕 仮想通貨の相場操縦に関与か – 日本経済新聞(2022年12月13日配信)

織田:暗号資産業界では、過去にも取引所が破綻したり、ハッキングによる大規模な資金流出事件などが引き起こされたりしてきました。

過去に起きてきた暗号資産取引所の事件と、今回倒産したFTXとの大きな違いは、同社が業界屈指のクリーンな企業と考えられていた点にあります。

まず、FTXはアメリカ金融当局の認可を受けていたこと。ニューヨーク州金融サービス局に信託憲章を申請し、信託会社を傘下に持つなど、法定通貨と同じスキームを暗号資産管理に導入し、世間では、同社が暗号資産業界の信頼性を高める努力をしているものと見られていました。

2019年の創業以来、FTXは瞬く間に業界のトップクラス企業へと上り詰め、資金繰りが苦しくなった同業他社に手を差し伸べたり、規制当局にも積極的に協力したりするなど、表面的には模範企業そのものでした。

俣野:FTXといえば、大谷翔平選手や大坂なおみ選手ともスポンサー契約を結び、話題になっていましたよね。

織田:ところが蓋を開けてみると、同社は会社の体を成していなかったことが明らかになりました。顧客資産を勝手に流用したり、会社の資金を社員が住宅購入に使ったりするなど、不正行為がまかり通っていたのです。

今回の事件が暗号資産業界へ与える影響は甚大であり、失った信頼を取り戻すまでには、かなりの時間を要するでしょう。

俣野:織田さんの周りの反応はいかがでしょうか。

Next: 暗号資産で破産者続出!FTXは、ただの取引所ではなかった…

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