SNS上のいわゆる「インフルエンサー」の女性9人が東京国税局の税務調査を受け、2021年までの6年間で計約3億円の申告漏れを指摘されたと報じられている。
報道によれば、申告漏れを指摘された9人は多くが30代女性で首都圏などに在住。Instagramなどで数千~数十万人規模のフォロワーがおり、特定の企業が販売している化粧品などをSNS上で推奨し、報酬を受け取っていたものの、報酬の一部を申告していなかったり、確定申告をしていなかった年があったという。
9人は加算税を含めて所得税など百数十万円~約3,000万円を追徴課税され、追徴税額は9人で計約8,500万円に上るとみられる。
申告漏れどころか“所得隠し”の猛者も
SNS上でよく見かける“企業案件”だが、それにより得た収入を一部申告していなかったという今回の件。
この企業案件の報酬だが、YouTubeの場合だとチャンネル登録者数や再生回数などを基準に金額が変動するいっぽうで、Instagramの場合で問われるのはフォロワー数で、それ1人につき3~3.5円あたりが相場となっている模様。またそれ以外にも、インスタのストーリーからリンクをクリックされた回数に応じて金額が決まる、成果報酬型の依頼も存在するようである。
今回、申告漏れを指摘された9人に関しても、なかには数十万人のフォロワーを抱える者もいたようで、そうなれば企業案件の投稿をひとたび行うだけで数十万円の収入。それが何件も重なれば数百万、数千万円といった多額の利益を得られるわけで、日頃から汗かき地道に働いている大多数の一般市民からすれば、なんとも言葉にならない状況となっているようなのだ。
そんな“濡れ手に粟”といった高額収入を未申告、あるいは申告漏れだったというならまだしも、今回指摘を受けた者のなかには、SNSを通じて販売した情報商材の売り上げを海外のペーパーカンパニーの収入と装っていたという人物も、一部の報道によれば存在したとのこと。
それはもはや“うっかり”な申告漏れの類ではなく、悪意アリアリの“所得隠し”なのでは……ということで、SNS上ではこれらのインフルエンサーたちに対する批判が渦巻いているといったところなのだが、そのいっぽうでは確定申告の期間である今のタイミングを狙ったかのような、今回の公表に関しては「完全に見せしめ」といった見方も多くあがっているところ。
ポイントはここね。税金の時効は5年間。税務署は時効ギリギリ重加算税で取れる最大値を狙ってますよ。「2021年までの6年間に計約3億円」
「インフルエンサー」女性9人、計3億円申告漏れを国税指摘…8500万円追徴か : 読売新聞オンライン https://t.co/lIJDKjEdrJ— onom (@onomoto) March 8, 2023
インフルエンサー計3億円の申告漏れw
税務署を誤魔化すなんてマジで出来ないからね…
嫌らしいのが、金額が大きくなるまでしばらく泳がせるところ。最初から指摘してくれれば金額少なく済むのに指摘された時には時すでに遅し…
しっかり確定申告しましょ🔥— りゅは🐗ブログ&Webライター🔥 (@hatarakupapa_11) March 7, 2023
さらに一部の間で注目を集めているのが、今回明るみになったのが2021年までの“過去6年間”だったという部分。恐らくは、時効ギリギリで重加算税もマックスになるタイミングになるまで、この9人を“泳がせていた”のではないか……ということで、そのしたたかぶりも大いに取沙汰されているところのようだ。
ネット上の“投げ銭”は雑所得
今回のようなインフルエンサー以外だと、最近ではマッチングアプリなどを介して男性と会い報酬を受け取るといった「パパ活」「ギャラ飲み」に勤しむ女性にも、国税は大いに注目をしているとされ、なかには4,000万円もの所得を申告しなかった女性が、1,100万円もの追徴課税を受けたという話が、大きな話題となったことも。
そんななか、今後新たな“ターゲット”として国税に狙い撃ちされるのでは……と噂されているのが、YouTubeのスーパーチャット(スパチャ)などに代表される、いわゆるネット上の“投げ銭”で収益をあげている、特に個人で活動しているような配信者たち。
これらの投げ銭だが雑所得にあたるようで、年間20万円以上なら確定申告が必要なようだが、この手の配信者はインフルエンサー同様に納税意識は低いのでは……といった見方もチラホラ。いっぽうで、数あるライブ配信アプリのなかでも、配信者への還元率が高いとされるアプリで活動している者のもとには、すでに税務署のチェックが入ったという話も出ているようだ。
生配信の投げ銭システムで儲けてる奴らの中にも、確定申告してない奴多いと思うのだが。
インフルエンサー9人 申告漏れ 2023年3月8日 https://t.co/sVXDrKhzuI
— 大澤 翔 (@osdmnj) March 7, 2023
「インフルエンサー」女性9人、計3億円申告漏れを国税指摘…8500万円追徴か(読売新聞オンライン)#Yahooニュースhttps://t.co/glHXze9095
そろそろこの世界にもきたか、ふわっちではめちゃくちゃに税務署入りまくってるし。
— 岐阜暴威 (@gihuboy) March 7, 2023
確かに、Youtubeのスパチャ機能が日本で公開されたのは2017年のことで、さらに「17LIVE」や「Pococha」といった、CMなどで著名なライブ配信アプリがサービスを開始したのも同じく2017年。先述のように国税が“時効ギリギリ”“重加算税マックス”というタイミングを見計らっているとすれば、ここ数年はまさに絶好の頃合いといったところで、今後そういった話も大いに取沙汰されることになりそうである。
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