税制を変えることで「東京一極集中」や「不公平」も是正できる
固定資産税を増税すれば、東京都心が住みにくくなり、人や企業が郊外や地方に移るでしょう。それにより、東京一極集中の弊害が和らぐことが同時に期待できるわけです。
金持ちへの課税ではありませんが、不公平の是正という観点からは、「サラリーマンの専業主婦は年金保険料を払わないで良い」という制度を廃止しましょう。
自営業者の専業主婦は払っているのですから、それに合わせるのが公平でしょう。
相続増税、固定資産増税、年金制度改革については、それぞれ重要な論点なので、別の機会に詳述したいと思います。
少子化は国難だ、という認識が重要
少子化は、国難です。数十年後に日本の人口が半分になるとすれば、外交面でも防衛面でも日本の存在感は大幅に縮小するでしょうし、数千年後には日本人がゼロになってしまうとすれば、文字通り国が滅びるということですから。
「日本人が減るなら外国人の移民を受け入れよう」という考え方には賛同できません。数千年後の日本列島には、日本人は1人もおらず、移民だけが住んでいるとしたら、それは私が望む日本国の未来とは異なっているからです。
したがって、少子化対策には万難を排して取り組むべきです。
上記の「低所得者には高額の児童手当」といった案には、毎年何兆円もの追加予算が必要となるでしょうが、それを惜しんではなりません。子どもは将来の納税者であり、高齢者の年金を支えてくれる存在なのですから。
筆者は高齢者ですが、シルバー民主主義を苦々しく思っています。高齢者は数も多いし投票率も高いので、政治家が若者よりも高齢者を優遇しがちなのですが、そんなことをしていたら、国難が深刻化してしまいます。
「高齢者の予算を減らして児童手当を拡充したい」と言われたら、筆者は喜んで賛成するつもりです。日本国が滅びるところを天国から眺める、なんて嫌ですから。
(筆者注:本稿は厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。)
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2023年3月18日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による