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時価総額日本一「トヨタ」を長期投資家が買わない理由。EV乗り遅れの損失は致命的?=栫井駿介

利益を伸ばす方法は?

売上が増えないなかで利益を増やすためには、利益率を上げなければなりません。

トヨタが利益率を上げる方法として考えられるのは、ひとつは「技術を売る」ということがあります。

技術を売ることに元手はかからないので、利益を増やすことができます。

方向性としてはあるとは思いますが、現時点でその動きは見せていないです。

また、「高級化路線」という方法もあります。

移動手段としての車は、カーシェアが活躍するようになると普通の人はカーシェアでいいということになりますが、「車を持つ」ということに対して価値を持たせるためには、フェラーリのような高級化路線を中心に据えることが合理的な策ではないかと思います。

しかし、販売台数が1,000万台あるなかですべてを高級車にできるわけでもなく、どこかに大きく舵を切るというのも難しい状況です。

トヨタの判定は…

トヨタの時価総額はいま30兆円といったところですが、遠からず“時価総額日本一”からは脱落するのではないかと思っています。

PBRも0.9倍と、1倍を割っている状態です。

成長性もあまり期待できないです。

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とはいえ、負債もありながらも手元現金は6兆円あるので、これでM&Aしていくことも考えられますが、元々の図体が大きすぎて、会社を変革するほどのM&Aもなかなか難しいと思います。

以上のことから、いまトヨタに投資するのはナシと私は考えます。

新社長になって、戦略の転換を見ていきたいと思っています。


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image by: Ink Drop / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年5月5日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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