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なぜ韓国は日本に急接近?中国依存の限界を悟ったユン政権が日本経済に抱く3つの下心=勝又壽良

韓国が日本に期待する3点

韓国は、こうした中国経済の実態から、経済面で中国依存を見直さざるを得ない局面に置かれている。左派は、経済的知見に乏しいので事情が飲み込めないのであろうが、右派は容易ならざる事態になっていることを自覚しているはずだ。

韓国経済界が、日本との関係修復に期待を掛けるのは、次の3項目である。

1)半導体
2)水素経済
3)観光客

これら、3点について見ておきたい。

(1)半導体は、生産量では韓国が上位にあるが、総合的に見れば日本上位だ。半導体製造装置や半導体素材は日本の独壇場である。さらに詳細に見ていこう。

韓国は、半導体製造装置や主要素材の国産化率が低いのだ。2021年の半導体製造装置の輸入先は、米国(26.9%) 、オランダ(26.3%) 、日本(24.3%)の3カ国が8割も占めている。半導体素材は、40%以上を日本からの輸入に依存する。

韓国の半導体産業の抱える脆弱性を考えると、次の点がカバーされなければならない。

a)短中期的には米国が主導するサプライチェーンに積極的に参画し、同志国との連携において先端半導体製造装置および素材需給の安定性を高める。
b)持続的な研究開発への支援策により、装置や素材分野での自立性を徐々に高める。

韓国では、これら2点の改善が必要と指摘されているが、(b)の技術開発は容易ではない。となれば、「犬猿の仲」である日本との関係改善が、韓国半導体の生きる道になろう。

(2)水素経済は、日本が世界の最先端を歩んでいる。日本は、2017年に「水素国家戦略」を世界で初めて策定して取り組んでいる。韓国は、2021年に水素法を制定した。水素の生産量は、日本(2021年)が6億4,525万立方m(約91億1,370万トン)、韓国が192万4,000トン(2018年)である。比較年次が異なるので単純には言えないが、日本が圧倒的な力を持っている。

燃料電池車(水素)では、日韓が次のような結果である、トヨタの「MIRAI」と現代自の「NEXO」の航続距離では、トヨタが850Kmである。現代自は608kmと差がついている。こういう状態から言えば、燃料電池車でも日本が性能的に上回っている。

(3)韓国を訪れた海外旅行客は、コロナ前の2019年で中国人620万人 日本人は558万人で2位であった。当面、中国人旅行客は中韓摩擦で抑制されているので、日本人観光客に期待が掛っている。23年1~3月の韓国訪問の外国人観光客総数は181万7,136人。うち、日本人が36万1,121人で、5人に1人が日本人で1位だ。1~3月の訪日外国人観光客では1位が韓国人である。日韓が、それぞれ相手国で1位を占めている。

Next: これまでにない追い風?日本の「半導体」は飛躍期を迎えている

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