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ユニクロ最高益でも株価急落は当然。個人投資家が知らない機関投資家のファーストリテイリング売買ルール=Team xoxo

ユニクロブランドを持つファーストリテイリングは7月13日に好決算を発表し、PTS市場で大幅高し、翌日は寄り付き直後大きく上髭を引いて、その後は終日下落し続けました。この背景には機関投資家にとっては常識ともいえるルールがありました。(『元外資系レジェンズ Team xoxo あなたに寄り添う投資情報』)

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※本記事は、『元外資系レジェンズ Team xoxo あなたに寄り添う投資情報』2023年7月16日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:Team xoxo
元外資系金融機関出身3人で結成した『あなたに寄り添う』をテーマに金融リテラシー向上で人生を楽しむお手伝いを目標にするチームです。

プロの戦いに巻き込まれる初心者投資家

ありがたいものでTwitter等SNSを頑張ってやっていると、いろいろな層の方々と話ができるようになり、個人投資家のリアルが分かることは、今の僕にとって非常に有益です。

考えていることがプロと全く違う

以前話をしましたが、個人投資家はプロの投資家、いや空売り報告に出ている証券会社を

“機関”

といい、空売り筋を

“売り豚”

と言います。

ファンダメンタルズのことを

“ファンダ”

と呼び“ファンダ勢”か“テクニカル勢”かで一大論争を繰り広げたりします。

彼らが“ファンダ”というときの分析は、いわゆる証券会社のアナリストが分析するような内容とは程遠い、いわば材料探しのような感じ。

もちろん、昨今のPBR水準訂正や、ROEの浸透もあり、それらの指標を基に投資判断される方も増加したとは思いますが、その程度です。

多分、個人投資家の投資は、僕も含めてコスパが重要。

例えば、分析をするためには、データが必要になることもありますが、基本的にデータは各証券会社のスクリーニングサービスを使用している程度。いわゆる課金なしで使えるデータへ依存することが、今の情報にお金を使わない主義に繋がっているのかもしれません。

「株式投資とは常に情報をいかに集められるか?」

「その情報をいかにに投資アイデアに繋げられるか?」

というアーティストのような作業だと考えています。

投資が上手い、例えばプロの方々は、情報集めが非常に上手くて、個人投資家が見ていないところまで見て、それを投資アイデアに繋げます。

もちろんそこにはプロ同士の競争があり、思惑があり、激しいやり取りがあるわけですが、知らないうちに何も知らない初心者個人投資家が、そのバトルの中に足を踏み入れてしまい、巻き込まれてしまうことが良くあります。

今回はそのようなことが起きてしまった一つの例を紹介させていただきます。

日経平均株価にユニクロが与える影響

ユニクロブランドで有名なファーストリテーリング<9983>。

この会社は、日経225採用銘柄で、かつ値嵩株。225銘柄寄与度が高いことは、メディアの報道などで、個人投資家にも広く知れ渡っています。

今回の上昇相場の過程で、日経平均株価指数の上昇がTOPIXに対してアウトパフォームし、その過程でファーストリテーリング株や、値がさ半導体関連株、例えば東京エレクトロンやアドバンテスト株が上昇した背景を指摘するコメントも多く出ていました。

ここに三井住友DSアセットが2020年一年間の225銘柄の寄与度を分析した資料があります。
日経平均株価と値がさ株/マーケット情報-三井住友DSアセットマネジメント

この分析の非常に面白いところは、2020年は、年間で日経平均株価の上昇幅は3,787円55銭で、寄与度上位9銘柄の寄与額は合計で3,801円98銭。この9銘柄で2020年の日経平均株価の上昇(上昇幅は3,787円55銭)をほぼ説明できることを指摘しています。

また騰落を見ると、この年上昇した銘柄はわずか77銘柄で、148銘柄は下落しているという事実でした。

このような分析を見ると、いかに日経平均株価が値嵩株に影響を受けやすい指数であることが理解できます。

この日経平均株価の値嵩株による影響は、かなり昔から問題視されていました。

そもそもこの指数は、東証1部上場株式の内の225銘柄について、その額面調整後株価(例えば、額面5万円のNTTは、50円額面に換算すると、市場価格の50/50000=1/1000になる)の合計を、ある除数で割って求められました。

このような計算方法であるため、値嵩株の影響(寄与率)が相対的に高くなっていました。

それが額面という概念がなくなり、さらに値嵩株による影響が問題視されてきた経緯があったため、何度も算出計算式に改定がなされ影響を減らすように日経は努力をしてきました。

今では株価換算係数によって、昔の額面の違いによる影響等を低減するようになっています。

しかしながら、日経平均株価がTOPIXと違い単純平均を基本とする考えである以上、どうしても値嵩株の影響を完全に排除はできていないのが現状です。

ひと昔前は、あまりにも値嵩株であった一部の株に対して分割して株価を下げることで、その影響力を減らせというような圧力もありましたが、それをすることで、インデックスイベントでの大きな売り需要が発生することを嫌気した一部企業が、それを拒否し続けるなんていうこともありましたが、今では額面の撤廃と株価換算係数の導入によって、かなりマシになった印象です。

Next: ヘッジファンドがファーストリテーリングを狙う理由

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