上昇局面が続く日本株市場ですが、そんな中でも落とし穴はあります。とくに注意したいのはゲーム、薬品、バイオの3セクター。Twitterの煽りで購入する個人投資家も多くいますが、一度“夢”が崩れると大暴落します。(『元外資系レジェンズ Team xoxo あなたに寄り添う投資情報』)
※本記事は、『元外資系レジェンズ Team xoxo あなたに寄り添う投資情報』2023年7月2日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:Team xoxo
元外資系金融機関出身3人で結成した『あなたに寄り添う』をテーマに金融リテラシー向上で人生を楽しむお手伝いを目標にするチームです。
上昇局面で待つ落とし穴
相変わらずの株高です。
結局バイアンドホールドでプライム上場株を買っておけばお迎えが来て上昇しているマーケット。
その証拠に2023年1月からマイナスパフォーマンスのセクターが一つもない(笑)。ガラガラポンで何買っても上がっている状態
TOPIX業種別パフォーマンスを見てみるとトップが 卸売業 。
ここにはバフェットさんが購入した商社が含まれており、まあ納得と言った感じですね。
一方最下位が 水産・農林業 で、確かにあまり取り上げられた記憶がないですが、それでもプラスですから驚きです。
そんな後に語られる可能性があるほどの上昇局面ですが、落とし穴はやはりあるもので、こちらのメルマガでも紹介させていただいた「アースインフィニティ」や「プログリット」などがその代表銘柄です。
それらの銘柄は Twitter上の煽りから始まる需給の歪みから生まれる、ある程度予測可能だった“落とし穴”
しかし今回ご紹介するのはそういった類のものではなく、そのセクターが常にはらむリスクが顕在化した一つの例として紹介させていただきます。
ゲーム、薬品、バイオ市場に潜むリスク
株価というものは、将来の業績を織り込むなどと言われます。つまり先に何か好材料が控えていることが明らかになれば、それを元に買いが入り株価が上昇します。買いが買いを呼び、人気化して株価はさらに上昇します。
材料的にわかりやすいのが、ゲームセクターと薬品・バイオセクター
これらのセクターは例えば
・人気ゲームソフトの続編が発表される
・xxx万回ダウンロードされた
・xx病に有効な薬がFDAに承認された
などが材料視されて株価が簡単に暴騰します。
コロナパンデミック初期のころアンジェス<4563>を取り引きされた方も多いのではないでしょうか?
そもそもこの会社が暴騰した理由は、アンジェス創設者である森下大阪大学教授が、大阪大学と共同でコロナ感染症ワクチンを開発中と伝わり株価が人気化。
その後、大阪市立大学で治験開始したものの失敗、当初2020年に承認と伝えられていたものの、それが2023年に延期。さらに中止という絵にかいたような悪い例。
ファイナンスも多発して、株券印刷会社などと言われている始末。
大学ベンチャーではテラなんて会社もありましたね。こちらも悪しき黒歴史……。
もちろんバイオベンチャーの開発がすべて上手く行かないわけでもありませんし、それが大手製薬会社だから全て上手く行くという話でもありません。
例えばエーザイ<4523>の動きは、米バイオジェン社との共同開発で、夢の薬と言われたアルツハイマー治療薬『レカネマブ』の承認プロセスの歴史と言っても、過言ではありません。
大手製薬会社とバイオベンチャーの承認リスクは、やはりパイプラインの量とその業績へのインパクトで決定されます。
それで言うと今回書こうと思う。そーせい<4565>はその中庸と考えることができるかもしれません。
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