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オバマを恫喝する9.11“真犯人”サウジアラビアの「米国債売り」という切り札

オバマ大統領サウジ訪問の裏側

翌4月19日、アーネスト米大統領報道官と記者とのやりとりは、サウジによる米国債売りの問題に集中しました。これは当然至極のことで、オバマ大統領のサウジ訪問直前だったからです。

その際、アーネスト報道官は「サウジ政府、サウジ機関、サウジ高官が9.11テロを知りながら、テロリストを支援したという証拠は存在しない」と繰り返し強調しました。

4月20日、オバマ大統領がサウジ訪問の旅に出発。これは初めての訪問でした。同時に50B$の武器供与を手土産にしたとの報道が流れました。

4月21日、オバマ大統領はサウジアラビアに到着したのですが、それを出迎えたのはサウジ国王ではなく単なる役人だけで、歓迎の儀式もなく、寂しいものであったようです。これは現在のアメリカの立場を象徴する光景でしょう。

オバマ大統領はサウジ国王と会談後に「誤解を完全に解いた」と語りましたが、ことはそれほど簡単ではないのです。

他方、サウジ王族の一人であるPrince Turki Al-Faisal皇太子(元駐米大使・元サウジ情報局長官)はCNNのインタビューに対し「サウジアラビアは米国への依存を見直す必要がある」と語り、両国の関係が良好ではないことを指摘しています。

奇妙な数値

さて、これら一連の流れの中で奇妙な数値が出ています。サウジアラビアのAdel al-Jubeir外務大臣の脅迫は「米国資産の売却」であり、その額は750B$でした。この数字はいったい何なのか?どこから出てきたのか?です。

(エ)は、同国の2016年2月時点の外貨準備データです。その外貨建て資産はたったの582B$です。750B$とは程遠い規模、その差は168B$にもなります。つまり、別の口座でサウジアラビアが密かに保有している米国資産がどこかにあるのです。その口座では、今日最も重要な準備資産である金準備も隠し持っているはずです。

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2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件、世界貿易センターが破壊され、ペンタゴンが破壊され、多くの犠牲者を出した9.11テロの犯人の大半はサウジアラビア国籍でした。

しかし米国のオバマ大統領は、この「9.11テロ訴訟法案」に対し、「米国の国益を損なう」ので絶対反対との意志を示しています。これは取りも直さず、サウジによる米国債の大量売却が国家のデフォルトに繋がるからなのです。

こうなるとよく見えてきます。なぜアメリカはサウジアラビアの原油増産を押さえられないのか?米シェール産業が壊滅しつつあるのにもかかわらず、そしてそれによって米大手銀行が危険水域に入っているにもかかわらず、どうしてサウジアラビアを説得できないのか?

米国はサウジアラビアを抑える能力を失ったのです。もはや米国にとって、中近東をコントロールすることは不可能に近いほど困難です。

Next: ブルームバーグが米国財務省にサウジの米国債保有高の公開を要求

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