ブルームバーグが米国財務省にサウジの米国債保有高の公開を要求
その後ブルームバーグ社が米国財務省に、サウジアラビアの米国債保有高の情報公開を要求しました。下記がブルームバーグ報道です。
U.S. Discloses Saudi Holdings of Treasuries for First Time – Bloomberg
米国財務省の統計に拠れば、サウジアラビアの2016年3月の米国財務省証券保有高は(サウジが脅迫の際に主張した)750B$ではなく116.8B$であった、そして1974年以降から現在まで、サウジアラビアの保有高はOPEC湾岸産油国としてのグループに合算されてきたとのことです。
報道のポイント(1)
米国財務省は、サウジアラビア単体での財務省証券保有高を公表しておらず、1974年以降ずっと、OPEC湾岸産油国グループとしての合計金額しか公表していなかった。今回初めて、サウジアラビア単体の保有額は116.8B$(2016年3月時点)であったことを公表した。
これはブルームバーグ社が財務省に対して情報公開を要求した結果明らかになったもの。この結果サウジアラビアは財務省証券保有高トップ10ヶ国に入った。第1位は中国の1.3T$,2位は日本の1.1T$である。
首都ワシントンの研究所 Woodrow Wilson International Centerの中近東専門家 David Ottaway氏は「政治とは秘密が伴うもので、もちろん財政も秘密なのだが、今回明らかになったのはサウジアラビアの財務省証券保有高が驚くほど少なかったことだ」とコメントした。
だが反対に、疑問はさらに拡大している。サウジアラビアの外貨準備額は587B$である。そしてIMFのデータによれば、世界の国々の中央銀行はおおむね、外貨準備の3分の2程度を米ドル資産で持つものだからだ。
(筆者注:つまり400B$程度が米ドル資産だと考えていた。116.8B$とは少なすぎる!)
さて、このブルームバーグのオリジナル記事に折線グラフが掲載されています。これはサウジアラビアの米国財務省証券保有高の推移を示したものです。