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株価急落「モノタロウ」は買いか?わずか1年で半値まで落ちた3つの要因と今後の成長性=栫井駿介

モノタロウはこれまでの業績の成長が素晴らしく、長期投資家にとって大注目の銘柄です。しかし、目先では株価が大幅に下落しています。なぜこれほど下がっているのでしょうか?今後の見通しについて考えてみたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

なぜ増収増益で株価下落?3つの要因

まずは株価の推移を見てみましょう。

MonotaRO<3064> 日足(SBI証券提供)

MonotaRO<3064> 日足(SBI証券提供)

過去1年間で、最高値は約2,500円でしたが、現在は1,246円で約45%下落しています。
これは株式を持っている人にとっては厳しい状況でしょう。
特に最近になって急激に下がっています。

なぜここまで下落しているのでしょうか。

モノタロウはこれまで驚異的な成長を遂げてきました。

MonotaRO<3064> 業績(SBI証券提供)

MonotaRO<3064> 業績(SBI証券提供)

売上、利益ともに右肩上がりに成長していて、ここ10年くらいは毎年約20%というとてつもない成長率でした。

それがここに来て株価が大幅に下落しました。
2023年12月期の予想でも増収増益の予想となっているにもかかわらず、なぜ株価は半額というところまで下がっているのでしょうか。

<下落要因その1:グロース株の低迷>

この下落の理由として、まずグロース株の低迷が挙げられます。
モノタロウはPERが非常に高く、100倍以上になっていた時もありました。
直近ではPER27倍ほどにまで下がり、高すぎたPERの調整という面があると思われます。

また、マクロの視点から見ると、アメリカと日本の長期金利が上昇していることも影響しています。
金利が上昇すると、高いPERを持つ成長株の評価が下がる傾向があり、モノタロウの株価下落の一因となっています。

これは外部要因ということである程度仕方のないものと言えるでしょう。

<下落要因その2:月次売上高成長率の鈍化>

特に私たちのような長期投資家にとって懸念されるのは、ファンダメンタルズの実態に問題がないかどうかです。
実態面でも株価下落に拍車をかけるような現象があり、それが月次売上成長率の鈍化です。
毎月の売上が、プラスになってはいるものの、成長率が鈍化しているということです。

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出典:モノタロウIR

月次売上高の推移を見ると、9月の成長率は前年同月比で8.5%となっており、これは以前は毎年20%ほど成長していたことから見ると鈍化しています。
特に9月に入って成長率が+10%を下回ってしまいました。
プラスではあるものの成長率が下がっていて、株価が下落基調の中、下落に拍車をかけた可能性があります。

Next: 経営は盤石。株価下落の要因、3つ目は?

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