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株価急落「モノタロウ」は買いか?わずか1年で半値まで落ちた3つの要因と今後の成長性=栫井駿介

<下落要因その3:下方修正懸念>

さらに、下方修正への懸念もあります。
今期の予想は増収増益ですが、市場は実際の業績と会社の予想やアナリストの予想との一致を見ており、第2四半期の売上高の計画には未達の部分があるため、下方修正の可能性が高まっています。

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出典:モノタロウ 2023年12月期 第2四半期 決算概要

短期的な投資家は、下方修正が発表されると株価が下がると予想し、先んじて売る傾向があります。

経営は盤石

確かに、いくつかの要因によって株価は下がっていますが、モノタロウのビジネスモデルを見ると、減収減益になるようなリスクは限りなく低いように思われます。

モノタロウは間接材専門のオンラインストアで、中小企業や現場の業務に特化しています。
このような専門的な商品はAmazonなどの一般的な大手のオンラインストアでは見つけることが難しいことがあります。
モノタロウは、こういった需要に応える専門的な商品を提供しており、業者や現場の作業者にとって必要不可欠な存在となります。

<1人当たり購入額の増加>

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出典:モノタロウ 2023年12月期 第2四半期 決算概要

このグラフは、顧客1人当たりの購入額が、最初に購入した年からどう推移しているかを示したもので、年々購入額が増えていっていることが分かります。
モノタロウはリピート顧客を大切にし、ヘビーユーザーにしているということです。
新規顧客を求め続けるよりも、既存顧客の利用を厚くする方が、安定的な経営のためには重要となります。

<大企業連携の強化>

確かに、中小企業市場に限定すると、モノタロウの成長には物足りなさを感じるかもしれません。
しかし、モノタロウは大企業連携にも力を入れており、大企業にモノタロウの仕組みを導入しています。
この戦略が成功し、大企業の売上高が急成長し、現在の売上の約1/3を占めています。

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図のグレーの部分が大企業のものとなりますが、中小企業に比べて大企業との取引は1社当たりの売り上げへの貢献度が大きいので、大企業の割合が増えているということは今後の成長の可能性が感じられます。
もちろん大企業向けとなるとライバル企業も存在しますが、大企業向けの事業が今後も拡大し、その割合が増えていくことで、さらなる成長も見込めるでしょう。

Next: 成長力もあって割安……モノタロウは買い時か?

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