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JR京葉線、ダイヤ“改悪”に千葉県民が大激怒。「東京駅まで1時間」圏外となるエリアは不動産価格に深刻な影響も?

京葉線を走る快速電車の一部が、来年3月のダイヤ改正で全てを各駅停車に変更、さらに通勤快速を廃止にする予定だと報じられ、沿線の利用者にくわえて地元自治体からも反発の声があがる事態となっているようだ。

報道によれば、朝夕夜間帯に走っていた快速が格下げになるようで、快速の運行本数は平日は上下線合わせて59本から24本に、土休日は同89本から47本に大きく減るとのこと。

また通勤快速は、起点である千葉市内の蘇我駅から、東京メトロ有楽町線と乗り換えができる新木場駅までノンストップで走っていたのだが、これが無くなることで所要時間は東京―蘇我間では朝は平均14分、夕夜間帯は19分ほど増えるという。

これに対し、千葉市の神谷俊一市長は「極端な変更で、市民生活を支える広域交通の在り方としてとても容認できない」とコメント。また千葉県の熊谷俊人知事も「沿線の住民や事業活動に大きなマイナスで県として容認できない」と厳しく批判しているという。

沿線の不動産価格にも多大な影響が?

千葉県内から都心へと日々通う人たちにとってはお馴染みの存在である、京葉線の通勤快速。現状、平日の朝には上りが1日2本設定されており、1本目は外房の勝浦駅が始発で、途中で山武市の成東駅からやって来る車両を併結して東京駅へ。また2本目は木更津よりもさらに南にある富津市の上総湊駅が始発となっている。

先述の通り、東京駅へ向かう際に蘇我駅から先、千葉県内の駅はすべて通過していくということで人気だったこの通勤快速だが、それが無くなったうえに快速も各駅停車に変更となれば、電車に乗っている時間がかなり長くなるのは必至。

JR側は、通勤快速や快速は混雑が激しく、一部の列車に集中しないよう混雑を平準化させるため……とダイヤ改正の狙いを説明しているというが、車内の混雑緩和以上に通勤時間が伸びることのほうが、利用者にとっては嫌だという反応が多いようである。

なかでもSNS上において、今回のダイヤ改正で特に影響を受けそうな駅ということで取沙汰されているのが、蘇我駅の隣駅である鎌取駅。

ニュータウンであるおゆみ野の最寄りで、都心への通勤客もかなり多いため、平日は早朝から混雑することが一部からは知られている同駅なのだが、来春のダイヤ改正で通勤快速にくわえ通勤時間帯の快速も無くなる模様。

そんな鎌取エリアだが、同地で分譲されている一軒家などの物件は“東京駅まで直通で44分”という謳い文句で、これまで各種広告を打っていたようなのだが、ダイヤ改正後は時間が1時間を超えてしまう可能性もどうやら取沙汰されているよう。

東京駅までの所要時間が“40分台”なのと“1時間越え”だと、かなり街としての印象が違ってくるというのは言うまでもなく、今回のダイヤ改正は既存利用者の利便性ダウンもさることながら、このように沿線エリアの不動産価値にも影響を与えかねないものとなりそうなのだ。

ディズニーリゾートへの爆破予告が寄せられる事態に

そうでなくとも千葉県といえば、他の東京近郊の埼玉県や神奈川県と比較して、私鉄があまり幅を利かせていないということで、通勤には不便といったパブリックイメージも。そこに来てさらに不便になるのは確実といった今回の事態は、地元からしても看過できないというのは言うまでもないところ。

それだけに、地元からは「千葉市の価値を揺るがす」(神谷千葉市市長)とのもあがるなど、激しい拒否反応が起きており、千葉市以外に同じような影響を受ける沿線自治体が連携するといった動きにも発展しそうな状況のようだ。

このように千葉県民らの怒りの声が急拡大するなかで、ついには「快速廃止するJRへの報復」という趣旨で、東京ディズニーリゾートに対して爆破予告が寄せられる事態にまで発展。

県民からは「千葉が舐められてる」との声もあがるなど、ある意味で地元のメンツを守るといった意味合いも帯びてきた今回の騒動。ダイヤ改正まですでにあと3か月ちょっとに迫るなか、果たしてダイヤの再検討が行われるのか、あるいはJR側がそのまま押し切るのか、どのような決着に落ち着くのか全く分からないといった情勢だ。

Next: 「こういうときこそ地元の政治家あたりが…」

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