ルネサスに投資するリスク
最後にリスク、というよりも投資家のあなたに勘違いしてほしくないことを述べます。
それはルネサスは「AI半導体とはほとんど関係がない」ということ。
23年12月期の決算説明会においても
「AI関連の需要は非常に強いものの、AIデータセンター向けは売上の2〜3%程度。少しでも伸びている需要に追いつくように頑張る」といった説明がありました。
そもそもAI半導体関連は、エヌビディアやTSMCといった強力すぎるライバルが存在しています。ここを新たに市場拡大の恩恵を受けたとしても、シェアが拡大する可能性は低いでしょう。
「AI半導体ブームだから、ルネサス!」というアイデアは不発に終わる可能性が高いと考えます。
そして最大のリスクは「半導体不足の解消」です。近年、ルネサスの業績が伸びた理由は、コロナ禍の半導体サプライチェーンの混乱があったためです。
これが落ち着いた時には、業績が下降する可能性も考えられます。インテルCEOは2024年はまだ半導体不足と述べていました。25年以降の業績がどうなっていくか?ここが大きなポイントになりそうです。
これらのリスクと期待を総合的に考えて投資判断をするべきでしょう。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。
『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2024年3月4日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。