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支持率15.5%の岸田政権にカネと権力を握らせる危険。国民よりも利権重視、ばら撒きは選挙対策のためだけ=斎藤満

政権を象徴する裏金政治

金と権力が1つになる危険性はすでに指摘され、権力を持つ政治家や官僚に金を持たせるな、金持ちに政治権力を持たせるな、と言われます。しかし、今日の政治を見る限り、国民に奉仕する清貧な政治家はなく、政治業によって金を得るために政治家になり、金を集めて権力を誇る風潮が強まっています。

今回の裏金疑惑はその象徴的な事案で、麻生副総理は「政治に金は必要」と言ってはばかりません。少しでも権力を行使できるように、巨大な財政資金を用意し、財界と政治家による利益配分に利用しています。その最たるものが使うあてもなく積み上げた「予備費」や「ファンド」です。国会審議なしに政治家の都合で自由に使える金のファンドを潤沢にしています。

財政は権力行使の重要な手段のため、その規模をどんどん大きくしています。財政規模の拡大は政治家の権力の拡大につながるためです。そのために、コロナ過を逆手にとって近年では毎年のように大規模な「補正予算」を組み、十分に国会審議せずに財政規模を拡大しています。

このため、70兆円の税収規模でも平気で140兆円規模の財政(補正後)を組んでいます。家庭ならとっくに個人破綻し、ありえないものです。

財政規律より利権重視

公的債務残高はすでにGDPの250%に達し、イタリアやギリシャをも凌駕する大きさになっています。この債務残高を増やさないように、フローの赤字を抑えるべく、プライマリー・バランスの均衡、黒字化を目指し、今日でも25年度の黒字化を掲げていますが、そのめどは立ちません。

財政規律を求めるのは財務官僚と一部のエコノミストだけで、政治家は利権の拡大を重視して財政を食い物にしています。今の政治を見る限り、日本の財政規律回復は絵に描いた餅です。政治家業のために政治家になる人間を排除しない限り、数の論理を逆手にとって、どんな財政案でも、与党の圧倒的多数に「与党の魅惑」にひかれた維新、国民民主などが与党につくので、国会を容易に通過します。

自民党は小選挙区制を利用して20%台の低支持率でも議席の過半を独占し、国民の意思を確認しないまま、政治利権拡大に財政を理由する形が定着してしまいました。選挙制度を変えるか、国民が危機意識をもってこうした政治家を排除するしか、改善の道は開けません。

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