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支持率15.5%の岸田政権にカネと権力を握らせる危険。国民よりも利権重視、ばら撒きは選挙対策のためだけ=斎藤満

選挙を意識して打ち出した政策がことごとく批判を浴びる岸田政権。手間暇ばかりかけていつ減税されたかわからない先の特別減税に続いて、いったん取りやめた電気ガスの補助を8月から3か月だけ復活させるといいます。総裁選のために国民の税金をもてあそぶな、の声も聞かれます。(『 マンさんの経済あらかると マンさんの経済あらかると 』斎藤満)

【関連】1ドル200円に備えよ。“仕組まれた”円安で国民の生活水準は大幅低下、わずかな賃上げも帳消しに=斎藤満

※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2024年7月10日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

ついに内閣支持率15.5%で最低更新

選挙を意識して打ち出した政策がことごとく批判を浴びる岸田政権。手間暇ばかりかけていつ減税されたかわからない先の特別減税に続いて、いったん取りやめた電気ガスの補助を8月から3か月だけ復活させるといいます。総裁選のために国民の税金をもてあそぶな、の声も聞かれます。

※参考:内閣支持15.5%、最低更新 「政権交代を期待」4割―時事世論調査 – 時事ドットコム(2024年7月11日配信)

支持率低下の中で、総裁選、衆議院の解散総選挙を考えると、国民に「受ける」政策を出したいのですが、却って裏目に出て支持率を下げる始末。そして悪評高いマイナカードを今年度内に運転免許証と一体化するといいます。保険証と一体化しても医療現場でマイナ保健証はほとんど使われていません。

セキュリティの面からマイナカードを作らない人や、作りたくても障害や介護施設にいて役所に申請に行けない高齢者も少なくありません。こうしたマイナカードを持たない人を無視して強制的に保険証や免許証と一体化を進める政府は、かつてのナチス政権とダブる面があります。「聞く耳を持つ政権」とは裏腹に、身勝手な政策に走る岸田政権の支持率は下がるばかりです。

選挙対策が見え見え

6月から実施された特別減税は、昨年秋の解散総選挙のための「アメ」であったことは多くが指摘する通りですが、選挙の決断ができないまま、特別減税だけは強行しました。6月実施を前提にしていたために、現場にかなり無理を強い、しかも減税効果がわかりにくいために、減税分を意図的に説明せざるを得なくなる狼狽ぶりを露呈しました。

低所得者や年金生活者はいつ減税が完結するのかわからず、減税実感もないため、選挙対策としても、その狙い通りの効果は上がりませんでした。むしろ多くの批判を呼んで、支持率低下要因にさえなった可能性があります。

そして今回急に言い出した電気ガス代の「3か月支援」も、結局秋の総裁選、場合によっては解散を意識した「アメ」で、これも6月にいったん止めたものを再開する手際の悪さが目立ちます。

世論では「国民の税金を選挙道具に使うな」の批判が出ている分、選挙対策としては逆効果と言わざるを得ません。そのうえ、24年度中にマイナンバーカードと運転免許証を一体化すると言い出し、一部に混乱を招いています。一体化するメリットとリスクの説明がなく、当局の都合による施策の色合い強くなっています。

Next: 国民よりも利権を重視…。政権を象徴する裏金政治

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