もう1つの闇「路上生活者締め出し」の社会問題
パリ五輪を巡る社会問題を告発しているフランスのNGOの連合体「メダルの裏側」は1日、五輪開幕直前の3カ月間にパリ首都圏で2,500人以上の路上生活者が強制排除されたとする報告書を発表しました。
五輪の競技会場付近では、7月26日にあった開会式までの2週間で「集中的に」強制排除が行われたと指摘しています。
パリやその周辺ではアフリカや中東などから密航した移民らが川沿いの橋の下などで路上生活を続けており、当局はたびたび排除を進めてきたとのことです。
「広く開かれた大会」を掲げるパリ五輪ですが、支援団体は「五輪が『社会浄化』を加速させている」と訴えています。
これは北京・東京と、いままでも実際にあった話のような気がします。東京五輪では、コンビニの雑誌コーナーからアダルト雑誌が一斉に撤去されましたよね。北京の街も、表から見える(映像が映される街並み)ところと、そうでないところでは風景がぜんぜん違う、表からは見えなくしているといったことが指摘されていた記憶があります。
当局が五輪との関連を否定しているにもかかわらず、実際は「社会浄化」を進めていると指摘されています。
五輪の裏で強行される「社会浄化」
日本でも東京五輪における国立競技場建設をめぐり、近隣の都営霞ヶ丘アパートの撤去問題がありました。
1964年大会に向けた競技場の拡張に伴い、立ち退きを求められた人々の住まいとしてあてがわれた「都営霞ヶ丘アパート」、今度もまた東京五輪のための国立競技場建設に伴い、アパートの住民は、強制退去させられました。この問題は、映画にもなって広く世間に訴えかけられました。
華やかな舞台の「影」には、無理やり押し込まれた社会の「闇」が存在します。
そのことを踏まえて、私たちは「公共」とは何か、「国家プロジェクト」とは何かを深く考えるべきであり、光だけでなく影の部分からも、目を背けないようにしなければならないと思います。
<初月無料購読ですぐ読める! 8月配信済みバックナンバー>
※2024年8月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- らぽ~る・マガジン第643号「ブラックマンデーを超える暴落/パリ五輪に見る『社会の闇』」(8/5)
※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2024年8月5日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込330円)。
- らぽ~る・マガジン第642号「戦後最大の人権侵害『優生手術』」(7/29)
- らぽ~る・マガジン第641号「トランプ氏が政権構想明かす」(7/22)
- らぽ~る・マガジン第640号「日本の安全保障は大丈夫か…。?」(7/15)
- らぽ~る・マガジン第639号「米国は、本国では飲料水のPFAS規制に乗り出すのに、日本では…。」(7/8)
- らぽ~る・マガジン第638号「こんなときになんですが 都知事選で 争点になっていないようですが…。」(7/2)
- らぽ~る・マガジン第638号「配信を明日まで延期させてください…。」(7/1)
『
らぽーる・マガジン
らぽーる・マガジン
』(2024年8月5日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
らぽーる・マガジン
[月額330円(税込) 毎週月曜日]
絶対に知るべき重要な情報なのに、テレビなどが取り上げないことで広く知らされていないニュースを掘り起こし、また、報道されてはいるけどその本質がきちんと伝わっていない情報も検証していきます。情報誌は二部構成、一部はマーケット情報、マーケットの裏側で何が動いているのかを検証。二部では、政治や時事問題、いま足元で何が起こっているのかを掘り下げていきます。“脱”情報弱者を求める人、今よりさらに情報リテラシーを高めたい人はぜひお読みください。CFP®資格の投資ジャーナリストが、毎週月曜日にお届けします。







