半導体銘柄、どう選ぶ?
栫井:そう考えると半導体銘柄の選び方って難しいですよね。これから半導体が伸びるからシェアが高いSCREENを買っていたら今回のように株価が半分になってしまうケースもあって、ボラティリティが大きいというだけでなく実態が実は厳しいということもあります。
どのように半導体銘柄を選べばよいでしょうか。
元村:やはり唯一無二の技術を持っている会社を探すということに尽きるかと思います。
まず唯一無二の技術を持っていて、なおかつ既に市場シェアの大部分を占めている企業を中心に選ぶと良いかと思います。例えば信越化学は半導体ウエハの市場シェアの30%以上を持っていて、信越化学を上回る純度の高いシリコンウエハを作れる会社は他に無いので、こういうところを先に抑える、という観点で選んでいくと良いのではないでしょうか。
製造工程はもっと細かく分かれていて、そこを見ながら、市場規模は伸びるのか、今のシェアはどのくらいなのか、ということが分かってくれば投資先も決まってくると思います。
元村:半導体の材料のさらに原料を作っている会社なんかで、ニッチで狙い目の会社もあったりします。原料メーカーで利益率が30~40%という会社も日本にはかなりあったりします。こういうところまで見えてくると面白いですよ。
栫井:一つ一つの会社を詳しく見ていくと面白いし掘り出し物もあるかと思いますが、一方でそれが難しいということもあると思います。日本の半導体市場が伸びていくと考えると、一つの解決策としてはETFを買うというのもアリかと思います。一つの会社に絞るのではなく、塊として半導体銘柄を持つことで精神的な安定材料にもなります。
元村:確かに個社で持つと株価の上下動も激しくなってしまうので、そこをETFで賄える部分もかなりあると思います。
栫井:1銘柄に決めてそこが大きく伸びたらリターンもすごいことになりますから、どちらの方法が正解ということはありません。どちらのやり方が自分に合っているかを考えて投資を進めていっていただければと思います。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2024年9月4日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。