ニデック<6594>
10月23日発表した2024年4~9月期の連結決算は営業利益が前年同期比5%増の1210億円だった。中国で苦戦したEV駆動装置で受注を絞るなど守りを固めつつ、世界シェア首位のHDDモーターやインフラ関連事業を伸ばした。4~9月期として2年連続で過去最高を更新した。
HDDモーターでは主力のパソコン用途に加えてデータセンター向けが伸びた。AI関連のデータセンター建設ラッシュが続き、ニアラインと呼ぶデータ保存用のHDD需要が急増している。HDDモーターを含む精密小型モーターセグメントの営業利益は74%増の290億円だった。
また、AIデータセンターのサーバーに使う水冷装置も需要が急増。製品開発を進め、25年3月期に同装置で数百億円の売り上げを見込む。

ニデック<6594> 日足(SBI証券提供)
25年3月期は、売上高が前期比6.5%増の2兆5,000億円、営業利益は同48.3%増の2,400億円、純利益は同48.6%増の1,850億円と過去最高を更新する見通し。株価は一目均衡表の週足「雲」の下方で底練りの展開を続けており、当面は週足「雲」上抜けのタイミングを見計らいたい。
日東電工<6988>
HDDに組み込まれる回路基板で高いシェア。生成AIの普及を背景に、データセンター向け回路材料やタブレット端末向け光学フィルムの需要が拡大。データセンター向けの高容量HDDやタブレット端末の生産が想定を上回り、同社製品の需要が増加している。
同社製の「精密回路付き薄膜金属ベース基板」は微妙なバネ特性によって磁気ディスク上わずか10nmの位置に磁気ヘッドを浮上させ、HDDに情報を読み書きさせる信号を伝送する重要な役割を担う。そうした高い技術力・開発力がHDDの大容量化で再評価される。

日東電工<6988> 日足(SBI証券提供)
25年3月期は、売上高が前期比7.3%増の9,820億円、営業利益は同29.4%増の1,800億円、純利益は同26.6%増の1,300億円と過去最高を更新する見通し。
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