実際にどういうところに投資するのかと言うと、現時点でのモデルポートフォリオを示しているようです。

出典:fundnote
業種別としては、「卸売」「情報通信」「建設」というところにたくさん投資するようです。
やはり特徴的なのは、PERやPBRなどのファンダメンタルズの水準です。かなり割安系に寄っていることは間違いないようです。割安で、財務は悪くないけれども市場から無視されているものに投資をして、カタリストが起こった時にグンと上がるような銘柄を目指しているようです。
気になる点は手数料についてです。

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基本報酬が年1.87%で、これに加えて実績報酬というものがあるようです。

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簡単に説明すると、一定のリターンを上回ったら、上回った分からさらに手数料を取るという方法です。
年6%というハードルレートがあり、例えば年10%のリターンがあったとすると、6%を超えた4%の部分の22%が手数料に上乗せされます。(4%×22%=0.88%)
基本報酬の1.87%に0.88%が上乗せされて、2.75%が手数料となります。
10% − 2.75%=7.25% が実質的なリターンとなります。
相場が良くて、手数料がほぼ無料のインデックスでも10%のリターンが出る年もあります。インデックスが10%だとしたら、このファンドだと13%くらいのリターンをあげないとトントンにならないということです。
インデックスを大幅に上回らないと、手数料を加味した時に投資家の利益にはならないことは認識しておきましょう。
リスクは?
この投資が上手くいくかどうかということですが、井村氏のこれまでの実績という意味では申し分ないと思います。
<大失敗の可能性は低い>
投資手法としてはかなりオーソドックスでもあります。
とにかく割安な銘柄に投資をしてその上昇を待つという割安株投資の代表的な手法で、ウォーレン・バフェットも初期の頃はこういった投資を行っていました。
「アルファを獲得するための七つに問い」の一番目、“ダウンサイドリスクは限定的か”とあるように、まずは失敗することを避ける手法でもあります。
割安なので、世の中から見逃されているところはあるので、なかなか上がらない可能性はあります。
しかしそれ以上に、そこから大きく下がることはないというもので、その担保となるものは、会社が持っているキャッシュであったり、何らかの価値のある財産であったりします。
このやり方は、大失敗する可能性はかなり低いと言えます。
一方で、もちろん失敗がないというわけでもありません。直近で井村氏は7億円の損切りをしたと自身でも言っています。
こうやって失敗することもありますし、集中投資をしているので、1つの銘柄の失敗のダメージがどうしても大きくなってしまうところはあります。