<倫理的な問題>
企業に働きかけて株価を上げさせる(エンゲージメント)ことについても言及しています。

出典:fundnote
地方銀行A(富山第一銀行)の実績が例に挙げられていますが、結果的にこの銀行は、業績の上方修正と大幅増配を発表し、株価は1年間で2倍以上に上昇したということです。
結局は増配したことによって株価が上がり、増配は株主にとっては良いことですが、エンゲージメントは本来、企業の価値向上、事業をいかに改善するかということだと思います。
このエンゲージメントはとにかく株価を上げさせるためのもので、既存の株主にとっては良いことかもしれませんが、倫理的にどうなのかと思うところはあります。
これは村上ファンドと同様の動きです。
今後の動きには要注目
まとめますと、これまでの実績は素晴らしいので、可能性は大きいと思います。
ただ、完璧ではありませんし、何より井村氏、竹入氏の努力に依存することになってしまいます。
結局は“人に投資する”ということは変わらないですし、ファンドのデメリットがどうしても出てくるところはあります。
井村氏のファンドが、異常にリスクが大きいとか悪いものだと言うつもりはありません。しかし、もちろん成功が保証されているわけでもありません。
間違いなく言えることは、このファンドが今後の業界を賑わせるだろうということで、これからも注目していきたいです。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年1月15日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。