<営業利益率の低下>
3つ目は、足元で米国事業の営業利益率が低下している点が挙げられます。
営業利益率が低下している理由は「インセンティブの活用」という形で、住宅購入者に対する住宅ローン金利の補填を住友林業が自社負担で行っているためです。

つまり、住友林業がこのお金を出さないと、消費者が住宅を買えない状況です。
このことから、住友林業は苦しくなる状況が続くのではないかと投資家から懸念されています。
住友林業の株価は今後どうなる?
住友林業の株価は、長期的には着実な成長が期待できそうです。
なぜなら、住友林業は買収した米国企業に日本の住宅技術を導入し競争力を高められているからです。
米国住宅市場におけるシェアは2%弱と小さいものの、分散した中小ビルダー市場で徐々に存在感を増しています。
景気変動による一時的な業績悪化はありえます。
ですが、米国の慢性的な住宅供給不足という構造的問題が継続しているため中長期的にはこの波に乗って成長していくと考えられるでしょう。
また、住宅建築業界は地域密着型の中小企業が多く、圧倒的な支配力を持つ企業が存在しない市場です。
そのため、住友林業が各地域のニーズに合った質の高い住宅を提供し続ければ、徐々にシェアを拡大できそうです。
米国の人口増加も継続しており、住宅不足という根本的な問題も存在しています。
こうした大きな潮流の中で存在感を示していることは、中長期的な成長の可能性も十分ありそうです。
まとめ
住友林業の株価は長期的にみると、着々と伸びていくと考えられます。
景気悪化時には業績と株価が落ち込む可能性はあるものの、財務的には健全な企業です。
調整局面が訪れた際には、投資機会となる可能性がある銘柄だといえます。
もし住友林業に投資の検討をしている方は、この記事の内容を参考にさらに深掘りしてみてはいかがでしょうか。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年3月27日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。