<入園者数コントロールと単価向上>
- 同社は、かつてのような「人気アトラクション3時間待ち」といった大混雑の状況を望んでいないようです。
- ある程度の入園者数をコントロールしつつ、いかに顧客単価を上げていくか、課金ポイントを増やしていくかが、売上を増やすための鍵となります。
- 今後導入される各アトラクションにおいても、DPAのような有料サービスがさらに増えていく可能性が高いでしょう。
このように、オリエンタルランドは、入園者数を適正に保ちながら、1人当たりの体験価値を高め、それに見合った料金をいただくことで、持続的な成長を目指していると考えられます。
個人投資家への魅力:創立65周年記念の特別株主優待
オリエンタルランドへの投資を検討している個人投資家にとって見逃せないのが、創立65周年を記念した「特別株主優待」です。
特別株主優待券…2025年9月30日時点で100株以上保有している株主に対し、ワンデーパスポートが1枚贈呈されます。これは現行の通常優待(100株保有でワンデーパスポートがもらえるのは3年以上の継続保有が条件)や長期優待に加えて行われる、今回限りの特別な優待です。
この特別優待を目当てに、9月30日までに株を購入し、その後売却を検討する短期的な投資家もいるかもしれません。
通常優待では、100株で3年以上継続保有すると1枚、500株以上保有で年間1枚のパスポートがもらえるため、長期保有を前提とする優待です。特別優待は、長期的な成長戦略に加え、短期的な投資のきっかけにもなる要素と言えるでしょう。
まとめ
オリエンタルランドは、直近の第1四半期決算がファンタジースプリングスの通期寄与や外国人ゲストによるDPA利用増、そして単価向上施策によって非常に好調でした。しかし、通期では人件費やメンテナンス費、開発費など各種コストの増加が見込まれており、「増収減益」の予想が立てられていることを理解しておく必要があります。
特に夏の猛暑による来園者数の減少リスクは、第2四半期以降の業績を左右する重要な懸念事項です
オリエンタルランドは若年層向けのプロモーションなどで対策を講じていますが、その効果は注視すべきでしょう。
長期的な視点では、積極的なパーク開発と、入園者数をコントロールしつつ顧客単価を上げていく戦略が明確です。このような戦略に期待を寄せるかどうかが、投資判断のポイントとなります。
また、今回限りの特別な株主優待も、投資を検討する上での魅力の1つとなるでしょう。
このように、オリエンタルランドは好調な第1四半期の一方で、今後のコスト増加や猛暑といったリスクを抱えています。
しかし、長期的な視点でのパーク開発と単価向上戦略、そして株主優待という要素を総合的に判断し、ご自身の投資方針に合致するかどうかを検討する必要があります。
今後、チケット価格がさらに値上げされる可能性も指摘されており、その場合、株主優待の価値も高まるという見方もできます。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年8月30日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。