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山本幸三大臣「命取り」の釈明。疑惑の1億5千万円はどこに消えたのか=新恭

週刊誌の追求に苦しい言い訳

事件は、2011年9月、証券取引等監視委員会から加藤、吉岡の二人に強制調査が入り、その半年後に山本がこの国会質問をした。そして、質問から3か月後に二人とも横浜地検に逮捕起訴されるという経過をたどった。

山本は、吉岡らが逮捕された後、ブルー社の代表取締役を辞めている。これはあきらかに身の危険を感じたがゆえの逃亡」といえよう。

加藤は容疑を認め、執行猶予つきの有罪判決が確定したが、無罪を主張している吉岡は1、2審で有罪判決を受け、最高裁に上告中だ。

週刊新潮によると、山本は十数年前に地元・福岡出身の大物右翼の紹介で榊原と知り合った。榊原は政財界や芸能界に顔が広く、女優の杉本彩らを山本に引き合わせたこともあったという。

エリート銀行員の吉岡がなぜ、金融業者である加藤と知り合ったのかについては、よくわからないが、どうやら十数年前、三井住友銀行では対応できない借り手を連れて、いきなり横浜の加藤のもとを訪れたのが最初だったらしい。当時、資金調達力で金融業の世界に名をはせていたのが加藤だったようだ。

吉岡が自分の銀行をパスして榊原を市中の金融業者に紹介したということは、榊原が銀行から見てどのような人物であったかを如実に物語る。そして、その融資の内容そのものも、尋常ではなかった。

2010年3月に2億円を榊原が加藤から借り、その3か月後に2億5,000万円にして返すという契約だ。あまりにもベラボーな利息のため、融資の形では利息制限法にひっかかる。そこで、書類上不動産を売買するように見せかけたというのだ。

しょせんはウソの取引で榊原が手にした2億円のうち5,000万円がブルー社の設立資金として使われ、山本が代表権を持つ社長に就任したというわけだ。

この怪しげな人脈と経過について、山本は週刊文春の取材に書面で回答している。

─吉岡氏との関係は?
「大人数の会合にご指摘の方が一度だけ参加されたことがあると思います」

─加藤氏との関係は?
「全く面識がありません」

─ブルー社の社長に就任した経緯は?
「X氏(榊原氏)から『非常勤、無報酬かつ一時的』という条件で引き受けました」

自分は榊原に利用されただけ、と言いたいようである。だが、昔からの知り合いであれば、榊原に投資会社を運営する経験や才覚があるかどうかわかるはずではないか。

Next: 「残り」の1億5,000万円の行方は?

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