体験を経験に、経験を教訓に、教訓を新たな判断軸に
ここまでが、2016年11月時点でのマレーシア・ジョホールバルに関する私の考察です。これを読んで「いや、自分が感じているのはちょっと違う」という意見もあるでしょう。その場合は、本人の感性を信じていただければよいと思います。
あるいはJBへの投資を見送った投資家や評論家気取りのブロガーからは「そら見たことか。ざまあみろ」などといった揶揄の言葉も聞こえてきそうです。が、あとからなら何とでも言えるわけで、リスクを取らないで他人に石を投げつけるような人は、そもそも何も成し得ない人種ですから無視するに限ります。
それに、これは現時点でのピンポイントの考察のため、100%失敗だと決まったわけではありません。将来の変動要因は複数あるにも関わらず、それを現況がそうだからとあれこれ他人を批判する人がいるとしたら、それは時間軸や環境変化に対する洞察が鈍いだけ。たとえば、かつて楽天がスタートしたときも、すぐに潰れるとか、ソフトバンクがボーダフォンを買収したときも借金多すぎて失敗だとか、当時はいろいろ批判する人がいましたが、彼らは今やピエロですよね。だから、そんな人たちの発言に耳を傾ける価値はありません。
それはともかく、もし私と同じ感想を持っている人は、ぜひこの経験を、より一段成熟した投資家になるための教訓として自分の中で昇華してみてはいかがでしょうか。ただ嘆くとか、目をつぶるとか、安易に逃げ出すのではなく、自分の判断の元となった根拠を振り返り、その合理性を検証するのです。その繰り返しが、次への新しい判断軸の形成につながるはずです。
そしてこれから新興国不動産投資を検討している人は、上述の私の経験と印象もひとつのリスク要因として、あるいは判断材料としてお役に立てれば幸いです。
※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2016年11月7号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』(2016年11月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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