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痛恨の勘違いも? ジョージ・ソロスの「予言的中率」を検証してみた=東条雅彦

リーマン・ショック後の「ソロス予想」はどれくらい的中した?

次に、2冊目の『ソロスは警告する 2009』を見ていきます。この書籍では2008年のリーマン・ショックの結果を踏まえて、2009年の見通しを次のように述べています。

予想1『資産は円と金に向かう』

資産家は安全性を求めて日本円と金(ゴールド)に向かうだろうが、それも当局の抵抗に遭遇するのではないだろうか。特に、円高には日本政府は素早く反発するであろう。そして安全性を求める投資家と、為替介入によって輸出を守ろうとする日本の通貨当局の間で熾烈な攻防が起こり、為替市場は大混乱に陥るであろう。(P70より引用)

予想2『アメリカ経済は2009年末に底打ちする』

たとえ最良の政策をオバマ政権がとったとしても、アメリカの経済成長は世界全体のそれを下回ることになるであろう。大底は2009年の末ごろになるのではないだろうか。(P71より引用)

予想3『中国経済はいち早く、そして力強く回復する』

中国経済についての見通しという点では、私は中国が最初は深刻な不況に陥るが、短期間で回復を遂げるものと信じている。私の予測では2009年の半ばに中国の景気は底打ち、その後の回復も力強いものとなり、2009年を通しては年率8%の成長を実現できるのではないだろうか。(P74より引用)

予想4『ユーロはかえって強くなる』

ヨーロッパ諸国は共通の通貨を採用したことの利点は今回の危機ではっきりした。だから、ユーロそのものは今回の危機のおかげでかえって強くなるのではないかというのが私の見解だ。ここで注意してほしいのは、「ユーロが強くなる」と言った場合、そこにはユーロ圏の金融機関や規制のありかたの変化も含まれているということである。(P94より引用)

予想1~3までは、概ね当たっています

ソロスの読みでは「日本の当局は円高に抵抗する」と書いていますが、実際には日本政府は円高を容認していました。しかしながら、世界の資金が金(ゴールド)と日本に向かうという予想自体は当たっています。

中国の急回復も、アメリカ経済の底打ち時期も大的中させています

しかし、予想4は間違っていました。1冊目の書籍でもドルとユーロの見通しを外していたことから推測すると、ソロスの中ではドルとユーロの立場が逆転するという構想を持っていたのでしょう(今はその考えを修正していると思われます)。

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