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痛恨の勘違いも? ジョージ・ソロスの「予言的中率」を検証してみた=東条雅彦

ジョージ・ソロスの「当たった予想」「外れた予想」まとめ

最後に当たった予想と外れた予想をまとめます。

<当たった予想>

サブプライム住宅ローンが原因で金融危機に見舞われて、世界の資金が金(ゴールド)と日本円に向かう。そして金融危機後に、中国がいち早く回復して、アメリカの挑戦国になる。

<外れた予想>

金融危機が見舞われても、その影響は先進国だけに留まり、新興国にはほとんど及ばない(=デカップリング説)。ドルが下落して、相対的にユーロが強くなっていく。

さらに、今回取り上げた2冊の書籍ではまったく予想もされていなかった「ノーマークだった出来事」も、2009年後半から起きています。

<ノーマークだった出来事(2009年後半~)>

金融危機がヨーロッパに飛び火して、アイスランドが破綻して、ギリシャ、アイルランドがEUやIMFから救済されることになった。

このノーマークだった出来事は、上記「外れた予想」の「ドルが下落してユーロが強くなっていく」という見通しと関係していると思われます。一言で言えば、ソロスはヨーロッパに対して強気だったのです。

神様ではない、それでも偉大なソロス

ジョージ・ソロスも神様ではないので、全てを見通せるわけではありません。

とはいえ、リーマン・ショックでは世界中の株価が半値になるような下落を演じました。そんな中、2008年のクォンタムファンドの運用成績は年率10%弱だったことを書籍で明かしています。世界中で富が破壊された時期に、この成績を出せるソロスはやはり偉大です。

2016年に入り、ソロスは中国経済をリーマン・ショック前に似ているとして、中国を震源地としたリセッションを予想しています。ソロスの未来を見通す力は確かなので、今後も素直に耳を傾けるべきでしょう。
ついに現役復帰。ジョージ・ソロス氏が確信する中国経済崩壊のシナリオ

次回のメルマガでは、ジョージ・ソロスが「自分はこの理論で成功した」と語る「再帰性理論」に迫っていきます。再帰性理論とはいったい何なのか?次回もご期待願います。

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ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2016年11月6日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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