今年央の英国EU離脱を巡る国民投票(BREXIT)以降、円ベースの日経平均株価は、かなり上がってきたと言えます。しかし、米ドル建て日経平均は、上昇の色合いが強まっているという感じが全くありません。(『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』)
※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』2016年12月18日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
急上昇中の日経平均株価を外国人投資家の視点で見てみると?
米ドル建て日経平均株価
米ドル建て日経平均は、米ドル円相場を使って、日経平均株価を米ドルに換算したものです。米国の投資家が、為替をヘッジせずに日経平均に投資していたとすると、その投資家にとって自国通貨(すなわち米ドル)で見た値動きは、米ドル建て日経平均で表されることになります。
今年央の英国EU離脱を巡る国民投票(BREXIT)以降、円ベースの日経平均株価は、かなり上がってきたと言えます。しかし米ドル建て日経平均は、BREXITから8月にかけては上昇してはいますが、その後は概ね160ドルと167ドルの間で推移しており、ボックス圏内の動きではあっても、上昇の色合いが強まっている、という感じが全くありません。
この現象の解釈としては、為替をヘッジしていない米国の投資家にとっては、日本株全体を保有していると、損もしていないが利益もあまり出ていない、という意味合いになります。また、別の意味づけでは、足元の円ベースの日経平均の上昇は、ちょうど円安の分だけ先物が買われて株価が上がっているだけで、それ以外の上昇要因が全くないということです。つまり、為替相場が反転すれば、あっという間に株価が反落する恐れが強いとも言えます。
こうした円安以外に日本株全体を強く押し上げる材料がないといった、一種情けない状況が、この先何年も続くのでしょうか。
そうは考えていません。現在、個人消費は家計の心理が警戒的で、デフレ的な色合いを帯びていますが、雇用の改善が続いているため、いずれ明るい方向へ押し出されるでしょう。また輸出も、金額ではなく数量ベースで回復を見せ始めました。
このため、いずれ円相場とは関係なく、企業収益が持ち直し基調をじわじわと強め、結果として米ドル建てで見ても日経平均が上昇していくという展開に入っていくでしょう。
ただ、そうした米ドル建て日経平均の上昇基調が顕著になるまで、まだ少し時間がかかるものと見込みます。このため短期的には、来年初に向けて、米ドル円相場が円高方向に反転し、そのため円ベースの日経平均株価が(米ドル建て日経平均が余り動かない形で)反落するものと予想しています。
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『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2016年12月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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