欧州でやはり気になるのはモンテパスキ銀行です。週末には公的支援の報道がでていますが、株価は週末も下落し安値更新が続いています。他の銀行もチェックしてみましょう。(『毎月分配投信の本当のこと のりたマガジン』)
※本記事は有料メルマガ『毎月分配投信の本当のこと のりたマガジン』2016年12月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
欧州発の金融危機は本当に起こらないのか?注目ポイントを解説
気になるモンテパスキ銀行の最新動向
<欧州経済>
やはり気になるのがモンテパスキ銀行です。週の後半に相場が下落しているところも見ていましたので、まだまだ油断できないです。まずは報道を確認します。
イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは、資産運用会社や個人投資家から資本を調達し、50億ユーロ(約6130億円)相当の増資を年内に完了することを目指しているが、失敗に終わる可能性が高まっている。
出典:モンテ・パスキ増資失敗も-アンカー投資家確約せず、株式転換も不調- ブルームバーグ(2016年12月21日 10:05 JST)
相場が下落する要因となった報道です。しかし週末には公的支援の報道がでています。
イタリアは23日未明の閣議で、民間銀行支援のための200億ユーロの基金設立を了承した。これを受けて資本増強を迫られているモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテパスキ)(BMPS.MI)は直ちに資本注入を要請した。イタリアでは過去最大規模の銀行国有化となる。
増資を断念し国有化することとなったようです。これで一件落着なのかな?株価の動きをチェックしてみます。
週間変動率は-27.95%。増資失敗の可能性が報道された21日は、一時的に-18.18%の大きな下落が発生しましたが、すぐに戻す動きも出ています。ただし週末まで下落は続いており、安値を更新しています。
報道などによると、EUの規定では政府が銀行支援する場合は株主や債券保有者に一定の損失を負担させることが減速要因となっているそうです。金融不安を防ぐために前向きなものではありますが、株価の下げ要因にもなるといったところでしょうか?
他の銀行もチェックしてみます。イタリアの主要銀行の株価チャート一覧
ウニクレーデット・イタリアーノ銀行:-1.11%
インテーザ・サンパオロ銀行:+1.91%
ポプラール銀行:-9.90%
UBIバンカ銀行:+5.05%
ポプラール銀行だけは大きく下落していますが、その他は落ち着いている様子が伺えます。
ポプラール・エスパニョール銀行やバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)などスペインの複数の銀行は、欧州連合(EU)の最高司法機関である欧州司法裁判所の判決を受け、住宅ローン利用者に数十億ユーロの払い戻しを余儀なくされそうだ。この判決でスペインの銀行株は急落した。
出典:欧州司法裁、スペイン各銀行に過剰住宅ローン金利の払い戻し命じる – ブルームバーグ(2016年12月21日 22:52 JST)
どうやら個別の要件で下げていた模様。とりあえずモンテパスキ銀行の株価は気になるものの、全体的な金融不安は起きてはいないようなので大丈夫そうかな?
ついでにドイツ銀行の株価をチェックしておきます。上値は限定的な動きとなっていますが、とりあえずは堅調さを維持しているようです。
ドイツ銀行に関する報道が出ていますので確認しておきます。
ドイツ銀行は住宅ローン担保証券の販売をめぐる米司法省の調査について、72億ドル(約8500億円)を支払うことで決着したことを明らかにした。
出典:ドイツ銀行:8500億円支払いで決着-住宅証券販売の米司法省調査 – ブルームバーグ(2016年12月23日 10:53 JST 更新日時 2016年12月23日 12:07 JST)
以前報道にあった金額(54億ドル)よりは多いですが、なんとか折り合いをつけて終了したようです。大きな懸念事項が解決したわりには、株価が上昇していないなと思うのは私だけ?織り込み済みかな?
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