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「日本第一主義」時代の幕開け。なぜグローバリズムは死んだのか?=児島康孝

なぜ、トランプ政権は「アメリカ第一主義」を実行できるのか

トランプ政権が本格始動し、雇用増加の施策・行政手続きの簡素化などを進めています。実は、日本も、経済分野での「日本第一主義」を進めることが可能なポジションにいます。「日本第一主義」というと軍事面を想像しそうですが、ここでは「経済分野」の話です。

ところで、トランプ政権の「アメリカ第一主義」は、なぜ可能なのでしょうか。その理由は、大きな消費市場をアメリカ自身が持っているためです。いわば、巨大な買い手であるわけです。

最近のアメリカは、グローバル化とか自由貿易という名目があり、大きな買い手の力をうまく活かすことができていませんでした。たくさん買っているのに、自身の雇用は失われ、中間層消失と貧困化が起こっていたのです。「これはおかしい」ということで、政策転換をしたわけです。

実は「日本」は有利なポジションにいる

では、日本の立場はどうなのでしょう。これまでは貿易摩擦とか、守りの一辺倒ですね。

GDPを見てみましょう。日本のGDPは、1990年代には、アメリカに追いつく勢いでした。しかし、その後は世界の経済成長の趨勢(すうせい)に取り残され、あっという間にポジションが低下しました。

1995年→2000年→2005年→2010年→2014年
(名目GDP、米ドル、単位100億ドル、総務省HPより)

日本:534→473→457→551→460

アメリカ:766→1028→1309→1496→1734

中国:73→120→229→600→1043

アメリカの4分の1、中国の半分というのが、最近の日本の姿です。

しかし、世界の経済成長に落ちこぼれたとはいえ、絶対額では欧州のドイツやフランスなどより上ですし、英国よりも上です。

1995年→2000年→2005年→2010年→2014年
(名目GDP、米ドル、単位100億ドル、総務省HPより)

日本:534→473→457→551→460

イギリス:123→155→241→240→298

ドイツ:259→194→286→341→386

フランス:160→136→220→264→282

イタリア:117→114→185→212→214

こうした立場は、経済の「日本第一主義」に非常に向いているのです。この「日本第一主義」は、雇用創出です。つまり、これまで日本が苦手だったり考えもしなかったこと、日本の巨大な消費市場を活用するということです。

手続きの簡素化など、外国企業の活動に便宜をはかる一方で、トランプ政権のように、こう言えばよいのです。

  • 「これだけ日本市場で儲けてますね」
  • 「生産拠点の一部でも、日本に移してもらえませんか」
  • 「包装やパッケージだけでも、結構です」
  • 「どれだけ、日本人を雇用していますか?」
  • 「日本の業者に発注していますか?」

巨大な日本の消費市場で儲けている外国企業に、このように声をかけていけば良いということです。

買い手の力は強いです。発想だけ転換すれば、このようにして大量の雇用を生み出すことは可能です。日本人的には、「そんないやらしいことはできない」という感覚でしょう。しかし、外国はこうしたことを平気でやります。かつて日本が貿易摩擦で苦労したのとは、全く逆の話です。

Next: 日本の巨大な消費市場を活用せよ/今さら米国に工場を戻しても」論の誤り

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