市場崩壊? 3月15日以降に訪れる2つのビッグ・イベント
このインタビューで、ストックマンは、こうも言いました。
「市場は容易に20%、おそらくもっと多く修正するだろう…」
そして、「現在の株価と、米国経済の実際のパフォーマンとの間には紛れもない断絶があることに注目すべきだと」言いました。
2つのビッグ・イベントの1つは、債務上限危機です。
3月15日を境に、米国政府は法律の定めるところによって、これ以上借金をすることによる追加資金の調達ができなくなります。以後、政府は、毎月の税収のみで運営しなければなりません。
もちろん、それだけでは現在の支出水準を満たすことはできず、このままでは、この夏にも、財務省が保有する約2,000億ドルを使い切ってしまうことは確実です。
米議会が何らかの方法で予算を手当てできないとウォール街が理解すれば、それは投資家による売り浴びせを誘発することになる、とストックマンは警告しているのです。
米議会は、過去、70回もの債務上限の引き上げを行ってきましたが、おそらく、今回、議会は債務上限を引き上げるための法案の提出はできないので、現在の取り決めでは、予算の割り振りをする権限が大統領に与えられているため、まず予算の切り捨てが断行されるだろうとストックマンは見ているのです。
事実、トランプは、気候変動対策のような環境保護局(EPA)の予算をカットし、水質浄化プログラムを中止しようとしています。
それほど予算はひっ迫しており、各省庁の予算カットが進むと、最終的には政府機能の一部が停止する事態を引き起こすでしょう。
もっとも懸念されるのが、債務上限を抑えられるため、オバマケアを廃止して代替プランに移行することが困難になることです。
ストックマンは、それが金融市場に悪影響を及ぼし、現在の市場における強気な楽観主義は、すぐに潰え去ってしまうだろうと見ているのです。