福島第1原発の2号機で2010年9月、内部電源と外部電源が作動しなくなり、原子炉水位が2メートルも下がる事故が発生した。311の9カ月前に起きた原因不明の電源喪失である。(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司)
※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2017年2月24日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文もすぐ読めます。
何者かが国内インフラを支配し、日本政府を「脅迫」しているのか?
映画『スノーデン』の証言とマルウェア
オリバー・ストーン監督の最新作映画『スノーデン』では、アメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の元局員であるエドワード・スノーデン氏が、2009年から2010年にかけて日本の横田基地にCIAの職員として滞在していたときに得た情報を紹介する場面がある。
それは、日本の民間のインフラにはマルウェア(ウィルス)が仕掛けてあり、もし日本が同盟国でなくなったら、これを一斉に作動させて電力網を始めとした日本のインフラを機能停止できるという内容だった。
1月、オリバー・ストーン監督は映画のプロモーションのため来日した。記者会見の席上、独立系のジャーナリスト、岩上安身氏が「マルウェアによって電力網が停止すると、原発は全電源喪失になるのではないか」と質問した。
それに対してストーン監督は、「特にスノーデンは原発については発言していないが、イランの核施設に「スタックスネット」というマルウェアが仕掛けられ施設が停止したケースがある」とし、日本のインフラに仕掛けられたものも「スタックスネット」である可能性を暗に示唆した。
日本国内に「スタックスネット」は仕掛けられているのか?
周知かもしれないが、ちなみに「スタックスネット」とは、インフラ制御用のシステムとしてドイツのシーメンス社が開発した「SCADA」に感染し、インフラを攻撃して機能を停止させる危険なウイルスである。
ニューヨークタイムスによると、アメリカ国家安全保障局 (NSA) とイスラエル軍の情報機関である8200部隊がイラン攻撃用に作ったという。
また、後にスノーデンもこれを追認し、ドイツのシュピーゲル誌のインタビューに対し、NSAとイスラエルが共同で開発したと語っている。
2010年9月には、イランのエスファハーン州ナタンズのウラン濃縮用遠心分離機が「スタックスネット」で攻撃され、約8400台の遠心分離機が稼働不能になった。さらに、ブーシェフル原子力発電所においても被害が生じたとされている。
多くの原子力発電所のコンピュータは、ウイルス感染の危険性があるため、インターネットには接続していない。イランの核関連施設もそうであった。「スタックスネット」は制御用コンピュータに接続されたUSBメモリーからシステムに感染したと見られている。
しかしその後、「スタックスネット」はインターネットに侵入し、世界中で約10万台のコンピュータが感染したとされる。
オリバー・ストーン監督は記者会見で、日本の民間のインフラに仕掛けてあるマルウェア(ウイルス)は「スタックスネット」であることを暗に示唆していた。では、日本のインフラに本当に「スタックスネット」は仕掛けられているのだろうか?