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またも盗まれた暗号通貨。仮想でも紙幣でも、一番のリスクは自分自身=俣野成敏

【「激しい価格の上下」にはどう対応すればいいか?】

続いて、仮想通貨を取り扱うに際して知っておかなければいけないのがボラティリティです。ボラティリティとは「価格の振れ幅」のことを言いますが、ご存じの通り、仮想通貨は価格の上がり下がりが非常に激しい、という特徴があります。多くの人はこれを見て一攫千金を夢見るわけですが、そういう時はたいてい「大きく下がる可能性もある」ことを考慮していません。結局はこれが悲劇を生む大きな要因となっています。

私がマネースクールを運営していて、最近よく聞かれるのが「○○コインは今後、上がりますか? 下がりますか?」というものです。だいたいの人が「専門家=相場がわかる」と思っているようですが、市場は多くの人が参加して成り立っています。そのため、世界情勢や世の中の傾向だけでなく、人間の心理的な動きも大きく市場を左右します。ですから専門家といえども、わかるのは「今後のおおよその見通し」くらいのものでしょう。

それでは、私たちはこのボラティリティの問題とどのように付き合っていけばいいのかというと、短期的なトレード目当てに購入することはオススメしません。仮に投機目的で仮想通貨を購入したりすれば、日々、相場が気になって日常生活にも支障をきたすようになるでしょう。そうではなくて、もっと長期的視点から考えることが大切です。

例えるのであれば、仮想通貨を「ベンチャー企業の株だ」と考えるようにするとイメージしやすいのではないでしょうか。実際、仮想通貨は現状では使える場所がほとんどなく、持っていなくても生活に困ることはありません。それでも買おうと思うのは「その価値が将来、上がりそうだから買っている」からに他なりません。要は「未来のお金を今、手に入れている」のです。

ビットコイン決済を提供するお店の狙い

確かに、現在はビックカメラなど、大手でも決済手段にビットコインを使えるようにしているところは増えています。しかし現状、ビックカメラで使うためにわざわざ日本円をビットコインに替える人もいないでしょう。ビックカメラが想定している利用者とは、主に外国人観光客や興味本位の人、またはトレードであぶく銭を手にした人などで、話題づくりの面も大きいでしょう。

せっかくですから、ここで裏話としてサービス提供側の背景もお話しておきましょう。実は、仮想通貨で受け付けることによって、店側(端末の設置業者)は日本円で受け取るよりも儲かる場合があります。どういうことかというと、支払う側はビットコインと円の現在のレートをリアルタイムに把握しているわけではありませんから、業者側は「手数料をどれだけ上載せするか?」ということに関して独自レートを設定できる、ということです。

特に日本人は、どこへ行っても同じ値段で同じサービスが受けられることに慣れていますから、こうした店ごとに対応が違ってくる可能性がある、というのは、社会的に見ても大きな変化だと言えるのではないでしょうか。

Next: 今後は上がるのか、下がるのか。仮想通貨をもっと理解するために

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