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またも盗まれた暗号通貨。仮想でも紙幣でも、一番のリスクは自分自身=俣野成敏

1. 仮想通貨を持つことによって浮上する問題

取引所のコインチェックが、NEMをインターネットに常時接続した状態で保管していたために、ハッキング被害に遭ったことは以前のメルマガでお伝えしました。私が共同運営しているでも、コインチェックに仮想通貨を預けていた人が複数名います。コインチェック事件は、決して他人ごとではありません

【避けては通れない保管・管理の問題】

仮想通貨は基本的にインターネット上で取引のすべてが完結するため、当然ながら保管の問題が常につきまといます。こういうと、いかにも「仮想通貨は危ない」というイメージを持たれる方も多いと思いますが、本来、仮想通貨は他のどのセキュリティーシステムよりも高度な仕組みを備えています。なぜなら、そこには「今あるインターネットの根幹を支えている暗号技術とほぼ同じ技術が使われている」からです。

もともとの英語名が“Cryptocurrency(クリプトカレンシー)暗号通貨”というところからもお分かりのように、現代テクノロジーの粋を集めてつくられているのが仮想通貨です。

だったらなぜ、そのような高度な技術が使われている業界でハッキングが続発するのでしょうか?

実は、ハッキングのほとんどはIDとパスワードが盗まれたことが要因で起きています。つまり仮想通貨自体の暗号が破られたことによる被害ではありません。これは、ネットバンキングでも同じです。銀行もIDとパスワードで情報を管理していることに変わりはありませんので。どんなにすごい技術を使っていようとも、IDとパスワードを盗まれてしまえば元も子もないわけです。

ハッキングとはたいがい人為的な隙を突かれた結果、起こります。盗むほうからしてみれば、世界最先端の技術を上回ろうとするよりも、システムの脆弱性を狙ったほうがずっと楽なはずです。守る側が、仮にセキュリティーをさらに強化したいと思ったなら、網膜スキャンや指紋認証などといった認証システムでも導入しない限りは難しいでしょう。

例えると、私たちが普段使っている紙幣には高度な偽造防止の処置が施してありますが、それでも財布ごと盗まれてしまえばどうしようもないのと同じことです。仮想通貨も万一、携帯を物理的に盗まれ、中身を移されてしまえばおしまい、ということです。

便利になればなるほどリスクが高まる

結局のところ、危険とは便利さの裏返しであるとも言えます。便利であるためには開かれた仕組みでなければいけませんが、それはハッカーたちにとっても同じように開かれている、ということです。一般に、便利になればなるほどリスクは高まります。

「仮想通貨をパソコンなり携帯なりに入れて管理する」ということは、「何かあった際には、自分の資産が直接的な被害を被ることになる」ということを意味します。かく言う私も、数年前に羽田空港の待合室のソファに携帯を忘れたことがあり、冷や汗をかいた経験があります。幸い、親切な方が受付に届けてくださり事なきを得ましたが、もし「自分はよく忘れ物をする」というような方は、あらかじめこうしたことに対する対策を考えおく必要があるでしょう。

仮想通貨を実際に取り扱う際には、「常に危険にさらされている」ということを肝に銘じていただきたいと思います。

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