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メルカリ、もうすぐ上場。時価総額4000億円にして実は「赤字企業」の落とし穴=栫井駿介

他社に負けない「経済の堀」を確立せよ

それでもメルカリが安定した利益を出し続けるためには、競合に突破されない「経済の堀」を確立しなければなりません。

現在は「使いやすさ」「匿名配送」を強みとして謳っていますが、これらは少し研究すればすぐに真似できてしまうものでしょう。スタートトゥデイを手本とするならば、先駆者の強みを生かさなければなりません

1つの方向性として考えられるのが、出品者の囲い込みです。特に大口の出品者に対しては、他に移らなくて済むような優遇措置を取る必要があるでしょう。そうすれば、いくら他のサイトが広告を出しても、出品が少ないサービスからはユーザーは離れていきます。

もう1つの方向性は、海外展開です。実は、個人間売買のアプリで成功している例は世界でも珍しく、アメリカでもダウンロード数が3,700万件に達するなど一定の成功を収めています。広告宣伝費の大量投下は、サービスを世界に拡大しようという意気込みが見て取れます。

日本で培ったノウハウを活かし、一気に海外展開を進めることができれば、事業規模を何倍にも拡大できる可能性があります。ただし、そのためには有能な人材の確保が不可欠でしょう。今回の上場は、そのための資金や知名度を補う目的もあると思われます。

長期投資を考えるのは慎重に

成長企業の評価は非常に難しいところがあります。比較対象に挙げたスタートトゥデイですらPERが45倍を指すなど、一般的に割高と言われる域に入っています。

人気銘柄のため、IPOの抽選に当たった人はすぐに売れば利益を出せる可能性が高いと言えます。しかし、上場後に市場で買ったり、長期投資を考えるのは少し慎重になった方が良いと考えます。

成長株への長期投資における本当の勝負は上場時ではなく、その後大きく株価が下がる「デスバレー(死の谷)」に差し掛かったときです。その時までに真の成長性を見極めてからでも、投資は決して遅くないでしょう。


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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年6月10日)

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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