ここに来て次々と仮想通貨投資ファンドが設立されています。バフェットをはじめとして懐疑的な見方は根強くありますが、メガバンクが市場掌握に本格的に乗り出したということです。(『カレイドスコープのメルマガ』)
※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2018年5月19日第254号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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次々と立ち上がる仮想通貨インデックス・ファンド
先月、ロックフェラー財団のベンチャーキャピタル・ベンチャーであるベンロック(Venrock)が、ブルックリンを営業拠点とする暗号通貨投資ファンド「コインファンド(Coinfund)」と戦略的パートナーシップ契約を結びました。
また、ブルームバーグ(4月6日付)は、「ポジショントークが有名なジョージ・ソロスも、暗号通貨市場への投資に青信号が灯ったと判断したようだ」と報じました。
辛口の彼に、そう言わせた背景には、ブロックチェーンと暗号通貨関連市場は機が熟したと判断している投資家が増えてきているという事実があります(※当メルマガ第252号「ソロス、ロックフェラーの仮想通貨参入とトランプ政権打倒を画策するクーデター陰謀説」にて詳述)。
同じ時期に、サンフランシスコに拠点を置く投資ファンド「アイアンチェーン・キャピタル(IronChain Capital)」のCEO、ジョナサン・ベナサヤ(Jonathan Benassaya)氏は、「ビットコインの荒い値動きの元凶は、大口保有者のクジラと呼ばれる富裕な投資家が価格を動かしているからだ」と、ブルームバーグに警告を発するコメントを寄せました。
そのベナサヤ氏が率いるアイアンチェーン・キャピタルが、「IronChain MiX10」と「IronChain MiX10 Institutional」の2つのミューチュアルファンドを立ち上げることを発表しました。
フォーブス(5月16日付)は、「このようなファンド新設の動きは、ビットコイン、イーサリアム、リップルなどの主要な仮想通貨(暗号通貨)が強気に反転したシグナルだ」と楽観的に受け止めているようです。
このインデックスファンドは、最大10種類の仮想通貨の時価総額加重指数も元に組成されたもので、つまりは、仮想通貨市場のパイが拡大することを見越してのものです。
この2つのファンドは、個別の仮想通貨に投資するハードルの高さをインデックスのトレードに置き換えることによって難易度を引き下げ、ブロックチェーンなどの知識を持っていない大衆の資金の呼び込みに焦点が当てられています。
年間の管理手数料も1%と、まさに素人をターゲットにした「お手軽仮想通貨ファンド」といったところです。
ウォール街が仮想通貨のコントロールに動き出した
ウォール街も、仮想通貨の蘇りを感じさせる動きを見せています。
ゴールドマン・サックス傘下で決済サービスを提供しているモバイル決済サービス企業「サークル・インターネット・ファイナンシャル(以下、サークル社)」が、5月15日、Circle USD Coin(サークルUSDコイン/USDC)と呼ばれる新しい暗号通貨の開発を今年の夏頃から開始すると発表しました。
USDコインは、その名のとおりドルのデジタル版で、実際のマネーとして商品やサービスの購入の支払いに充てることができます。
USDコインは、ゴールドマン・サックスのような主要な金融機関からリリースされる初の仮想通貨になります。
これはドルとペッグさせるため、「ドルペッグコイン」と言うべきもので、ビットコインのような非中央集権的で分散化されたコインではないものの、ゴールドマン・サックスとサークル社は、仮想通貨市場に一定程度の安定性をもたらす役割を果たすことができると期待しています。
CNBC(5月15日付)は、USDコインをドルとペッグさせる理由は、他の仮想通貨が持つ固有の不安定さに左右されないようにするととも、インフレの影響を受けない仮想通貨の必要性に迫られてのことであると伝えています。