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G20声明の「本音と建て前」 結局、何が決まったのか?

麻生財務相「中国からは弾けたという言葉が3回も飛び出した」のウラ側

これと中国問題が絡みます。米国の利上げを支持する米欧からすれば、中国経済の不安や中国発の市場混乱は避けたいので、中国は心配ないとする姿勢が必要です。新興国はもともと中国支持にまわっているので、こちらからも中国への懸念は出ません

声明に書かれなかったから中国は大丈夫、ということにはなりません。

その中で気になるのが、麻生財務相の「中国からは弾けたという言葉が3回も飛び出した」との指摘。中国当局自らバブルが弾けたとの認識を示したことになり、しかもこれへの対応策などを示さなかったようです。

これが少なくとも日本のメディアでは報じられました。連休明けの上海はもとより、週明けの世界市場がどんな反応を見せるのか気になります。

結局、G20としては注文を付けたものの、米国の手を縛ることができず、市場が平穏に推移すれば、米国が9月に利上げを開始する可能性を残したことになります。それでも利上げによる負の効果を最小限にと釘を刺しているので、市場が不安定な中ではFRBも決断しにくい面があります。

相場への影響としては、米国が内外の政治圧力を無視して利上げを強行すれば、リスクオフとなってドル円は110円、日経平均は1万6千円に。その前に市場が不安定で利上げが見送られても、ドル円は115円、日経平均は1万7千円、市場が安定していても米国が政治判断で利上げを見送れば、ドル円は120円、日経平均は1万8千円台を回復、とのイメージ。

もっとも、利上げを見送っているうちに市場がさらに不安定になり、米国が12月以降も利上げチャンスを失った、と見られると、これまでの利上げを想定したドル買いが大規模に巻き戻され、大幅な円高のもとで企業収益の悪化が予想され、株価も1万6千円では済まない下げになる可能性があります。

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マンさんの経済あらかると』(2015年9月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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